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【連載】検査値の読み方

【心不全とは?】心不全の検査データはココ(左室駆出率など)を見る!

  • 公開日: 2015/2/22

心不全患者さんの看護に必要な検査データをピックアップしました。


▼心不全の看護について、まとめて読むならコチラ
心不全の看護|原因、種類、診断、治療


心不全とは?

 心臓のポンプ機能が障害され、心拍出量の低下を招き、主要臓器への酸素供給が満たされたくなった状態を心不全といいます。

心不全説明図
図 心不全

心不全の種類

 1. 急性心不全・・・血行動態が急激に悪化する
 2. 慢性心不全・・・血行動態が徐々に悪化する

右心不全と左心不全

 1. 右心不全・・・右心室のポンプ機能が低下して右心房圧が上昇し、右心房や静脈系に血液のうっ滞が起こり、全身に浮腫や肝うっ血を生じます。
 2. 左心不全・・・左心室のポンプ機能が低下して左心房圧が上昇し、左心房と肺静脈に血液のうっ滞が起こり、肺にうっ血を生じます。

心不全の原因

 あらゆる心疾患が心不全の原因になります。さらに、腎疾患、呼吸器疾患、内分泌疾患などの悪化や感染、ストレス、疲労、加齢なども原因になります。

検査データのココを見る!

1 心エコー検査

 心エコー検査では、

 1. 心臓の運動異常や形態(肥大・拡大・弁の状態)
 2. 左心系の左室駆出率(LVEF)

 を確認します。

【左室駆出率(LVEF)とは?】

 左室の機能を示す指標です。一般的に左室駆出率の基準値は60%前後で、60%以下は収縮不全とみなします。
 ※医師が画像読影したサマリーを参考にするとわかりやすいです。

2 胸部エックス線検査

 急性心不全で搬送されてきた場合、胸部エックス線検査は欠かせません。以下3点を確認します。

 1. うっ血の程度
 2. 胸水貯留の程度
 3. 心胸郭比(CTR)

【心胸郭比(CTR)とは?】

 胸郭横径(c)に対する心横径(a+b)の比率で表します。通常は50%以下が正常です。

胸部エックス線検査

3 心電図

 極端な頻脈や徐脈、その他、不整脈の有無を確認します。

4 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)

 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の濃度をチェックすることで、心不全の重症度がわかります。

【脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)とは?】

 BNPは、心臓に負担がかかると血液中に分泌されるホルモンです。値が高い程、心臓に負荷がかかっている状態と言えます。

5 凝固能

 心不全患者さんは、ワルワァリンやヘパリンなどの薬物治療をしていることが多いため、凝固能検査を欠かせません。

 凝固能は以下の5項目を見ます。

 1. FDP定量・・・血栓が形成されたあと、一時線溶が働きてFDPが生成されます。基準値は5.0μg/ml以下
 2. Dダイマー・・・血栓から二次線溶によってできるフィブリン分解産物のことです。身体のどこかに血栓ができると、高値になります。基準値は1.0μg/ml以下
 3. PT・・・血液が凝固するまでの時間を測定する検査です。延長している場合は出血傾向、短縮している場合は血栓症が疑われます。基準値は0.90~1.31%です。
 4. APTT・・・ヘパリンの量の調節の指標です。基準値は26~28秒
 5. INR・・・ワルファリン効果の指標です。基準値は1.0±0.1

6 腎機能

 循環不全により、腎血流が低下し、腎機能障害に陥りやすいケースがあるため、腎機能検査は不可欠です。

 腎機能は以下の2項目を見ます。

 1. BUN・・・腎・肝機能の状態の指標になります。基準値は8.0~20.0mg/dl
 2. Ccr・・・腎の排泄能力の指標です。基準値は82~183ml/min

7 炎症データ

 肺炎などの合併症が起きている場合があるため、炎症データを必ず確認します。

 炎症データは以下の3つを確認します。

 1. 白血球・・・感染症の疑いがないかを知るためにみます。基準値は3500~9700/μl
 2. CRP・・・炎症や細胞が破壊されると、血清中に増加するたんぱく質です。基準値は0.3mg/dl以下
 3. PCT定量・・・局所の感染やウイルス感染では上昇しないため、全身性細菌性感染症マーカーをして有用です。基準値は0.05ng/ml以下

(『ナース専科マガジン』2014年10月号から改変利用)

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