慢性心不全患者さんに対する看護計画|セルフケア能力の獲得に関する看護計画
- 公開日: 2023/2/28
生活に関連した慢性心不全のセルフケア能力の獲得に対する看護計画
心不全とは心臓に器質的、機能的異常が生じて心臓のポンプ機能の代償機転が破綻してさまざまな症状が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群とされています。呼吸困難感、倦怠感、浮腫などさまざまな症状がある中で患者さん自身の生活様式を獲得していく必要があるため看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 検査データなどから患の状況について把握する。心不全という疾患についてどれくらい理解しているか、また、自覚症状があるかどうかを確認する。現在の日常生活の状況と、慢性心不全の症状が今後の生活にどのような影響を与えるのかについての認識を把握する。どの程度、ご家族の協力が得られるのかも知っておく。
援助計画 T-P 治療の必要性を理解してもらうとともに、症状緩和について検討する。慢性心不全は在宅での療養生活を送るため、患者さんが生活しやすいように整える。疾患の状態などを鑑みて、ご家族以外の支援が必要となるようであれば、手配する。
教育計画 E-P 症状によって、これまでと同じように生活を送れないことがあることを知ってもらう。これまでと同じように生活できなくなることで不安に思うことやつらいことがあれば、いつでも話してくれるように伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
心不全による症状で生活様式を変える必要がある
看護目標
患者なりのセルフケアを獲得して生活していくことができる
観察計画 O-P
自覚症状の有無、程度
疾患に対する認識、理解
身体の変化に対する認識、理解
今までの日常生活の状況
生活の変容に対する認識、理解
薬の管理状況(患者自身あるいは家族)
家族の疾患に対する認識、理解
家族の協力状況
食事摂取状況
排泄状況
睡眠状況
検査データ(Alb、TP、BNPなど)
画像データ(レントゲン、エコーなど)
援助計画 T-P
必要な治療に対して理解を促す
心不全の症状の緩和に努める
ADLやセルフケア能力に応じて療養環境を整える
ADLやセルフケア能力を踏まえて今後の生活習慣の改善を促す
必要に応じて社会資源の導入を検討する
教育計画 E-P
疾患と生活の変容に関する必要性を説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
つらい気持ちは我慢せず伝えてもらうように説明する
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