がん化学療法を行っている患者さんへの支援
- 公開日: 2018/5/29
外来がん化学療法の場合、患者さんの療養の主体は生活の場です。ですから、副作用へのケアや生活調整などは、患者さん自らが行わなければなりません。入院患者さんとは異なる環境下で治療を継続する患者さんをどのように支えればよいのか、看護師の役割を考えていきましょう。
副作用への対応とサポート
外来でがん化学療法(以下、化学療法)を受ける患者さんにとって、治療と生活を両立させることが大きな課題となります。そのため、看護師をはじめとする医療者は、患者さんがなるべくこれまでと変わりのない生活を送れるような治療とサポートを心がける必要があります。生活を整えることが、患者さんの治療に対するモチベーションを向上させます。
そこで重要となるのは、身体面および精神面での苦痛の緩和です。特に抗がん薬による副作用は、患者さんにとってつらいものなので、優先的に対応することが求められます。
副作用のアセスメントと注意点
投与中に発生する副作用の主なものとしては、「インフュージョンリアクション」「過敏症によるアレルギー症状」「急性の悪心・嘔吐」が挙げられます。
[インフュージョンリアクション・過敏症への対応(表4-1)]
インフュージョンリアクションとは、分子標的薬で起こりやすく、投与中または投与後24時間以内に、注入反応・点滴反応として多く現れるアレルギー症状などの有害反応の総称です。一方、過敏症は、異物に対する生体防御システムが過剰あるいは不適当に反応して発現する症状の総称です。アナフィラキシーなど重症化する場合もあり、緊急時の対応を確認して投与を行います。インフュージョンリアクションのリスクを減らすためには、前投薬、投与速度などレジメンに従い、投与を確実に行います。