1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 薬理学・薬剤
  5. SU薬(スルホニル尿素薬)|経口血糖降下薬

【連載】どの病棟でも押さえたい糖尿病の薬

SU薬(スルホニル尿素薬)|経口血糖降下薬

  • 公開日: 2018/9/9

 糖尿病薬には作用が異なるさまざまなタイプの経口血糖降下薬があり、治療の主体となっています。看護の現場では、他の病気の治療のために入院した糖尿病の患者さんが、どのような糖尿病薬を使っているかを把握することは大切です。薬のタイプごとに異なる作用の仕組みや副作用など、糖尿病薬が変更される際の看護に役立つ知識を整理します。


主な薬

●グリメピリド(アマリール®
●グリベンクラミド(オイグルコン®、ダオニール®
●グリクラジド(グリミクロン®
●クロルプロパミド(アベマイト®
●アセトヘキサミド(ジメリン®
●グリクロピラミド(テアメリン®

作用・特徴:β細胞に作用し、強力な血糖降下効果をもつ

 膵臓のβ細胞に作用して、インスリン分泌を促す薬剤です。β細胞のSU受容体に結合しインスリン分泌を促します(図)。1日1~2回内服する場合が多く、持続的な効果があることが特徴です。

SU薬の働き

 経口血糖降下薬では最初にできた薬剤で、血糖降下効果も強力であるため、以前はよく使用されていました。ただ、食事摂取量が少なくなると低血糖を生じやすく、また、作用が持続的なため、血糖変動に対して日内の血糖の高低差を是正する効果はあまり期待できません。

 高齢者や腎機能が低下している患者さんでは低血糖が生じやすく、特に気をつける必要があります。絶食になった患者さんや食事量が不安定な患者さんでは、服用を中止します。誤って服用が継続されていないか、よく観察する必要があります。

 また、長時間効果が続くことによって、夜間帯に低血糖を生じることがあります。低血糖によって発汗することがあるため、起床時に寝汗をかいている患者さんには、睡眠中の観察や、場合によっては血糖測定を行う必要があるでしょう。

使用患者さん:従来の薬剤であり使用する患者さんが多い

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

改変Davis分類

改変Davis分類は何を判断するもの?  改変Davis分類とは、糖尿病網膜症の重症度を評価するためのスケールです。  糖尿病網膜症は、微小血管の動脈硬化によって引き起こされる糖尿病の代表的な合併症の一つですが、進行すると失明に至る可能性があり、QOLに大きな影響を与えま

2022/12/25

アクセスランキング

1位

心電図でみる心室期外収縮(PVC・VPC)の波形・特徴と

心室期外収縮(PVC・VPC)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。 この記事では、解説の際PVCで統一いたします。 【関連記事】 * 心電図で使う略語・用語...

250751
2位

【血液ガス】血液ガス分析とは?基準値や読み方について

血液ガス分析とは?血液ガスの主な基準値 血液ガス分析とは、血中に溶けている気体(酸素や二酸化炭素など)の量を調べる検査です。主に、PaO2、SaO2、PaCO2、HCO3-、pH, ...

249974
3位

吸引(口腔・鼻腔)の看護|気管吸引の目的、手順・方法、コ

*2022年12月8日改訂 *2022年6月7日改訂 *2020年3月23日改訂 *2017年8月15日改訂 *2016年11月18日改訂 ▼関連記事 気管切開とは? 気管切開...

250001
4位

人工呼吸器の看護|設定・モード・アラーム対応まとめ

みんなが苦手な人工呼吸器 多くの人が苦手という人工呼吸器。苦手といっても、仕組みがよくわからない人もいれば、換気モードがわからないという人などさまざまではないでしょうか。ここでは、人工呼...

250017
5位

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備...

250858
6位

心電図の基礎知識、基準値(正常値)・異常値、主な異常波形

*2016年9月1日改訂 *2016年12月19日改訂 *2020年4月24日改訂 *2023年7月11日改訂 心電図の基礎知識 心電図とは  心臓には、自ら電気信...

250061
7位

第2回 小児のバイタルサイン測定|意義・目的、測定方法、

バイタルサイン測定の意義  小児は成人と比べて生理機能が未熟で、外界からの刺激を受けやすく、バイタルサインは変動しやすい状態にあります。また、年齢が低いほど自分の症状や苦痛をうまく表現できません。そ...

309636
8位

サチュレーション(SpO2)とは? 基準値・意味は?低下

*2019年3月11日改訂 *2017年7月18日改訂 *2021年8月9日改訂 発熱、喘息、肺炎……etc.多くの患者さんが装着しているパルスオキシメータ。 その測定値である...

249818
9位

第2回 全身麻酔の看護|使用する薬剤の種類、方法、副作用

【関連記事】 *硬膜外麻酔(エピ)の穿刺部位と手順【マンガでわかる看護技術】 *術後痛のアセスメントとは|術後急性期の痛みの特徴とケア *第3回 局所浸潤麻酔|使用する薬剤の種類、実施方...

295949
10位

術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防な

患者さんが問題なく手術を受け、スムーズに回復していくためには、周手術期をトラブルなく過ごせるよう介入しなければなりません。 術前の検査  術前は、手術のための検査と、手術を受ける準備を...

249741