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【連載】スケール・評価基準を使いこなそう!

ブリンクマン指数(Brinkman Index:BI)|喫煙指数

  • 公開日: 2020/4/5

1.この指数は何を判断するもの?

 ブリンクマン指数とは、喫煙による人体への影響を予測する指標の一つであり、「一日あたりの平均喫煙本数」と「喫煙した年数」を掛け合わせて算出されます。

 たばこの煙には多くの有害物質が含まれています。そして、喫煙習慣は肺がんや喉頭がんなどのがん発症リスクを上昇させ、COPDや気管支喘息などの呼吸器疾患や狭心症などの冠動脈疾患を引き起こすことが知られています。喫煙によるこれらの健康被害のリスクは喫煙したたばこの量にほぼ相関することがわかっており、ブリンクマン指数の値が大きければ大きいほど、健康被害を受ける危険性が高いと考えられるのです。

ブリンクマン指数(喫煙指数)

1日に吸うタバコの本数 × 喫煙している年数

2.指数はこう使う!

 ブリンクマン指数は喫煙者の健康被害などを予測したり評価したりする指標として、外来・入院問わず医療現場で広く用いられています。喫煙はがんや呼吸器疾患のリスクを上昇させるだけでなく、風邪をひいたときなどは合併症を起こしやすくします。また、全身麻酔を行う上でも喫煙者は合併症が起こりやすいとされています。すべての患者さんの状態を把握して正しい対応を行うためにも、ブリンクマン指数による評価は大切なことなのです。

 一般的に、ブリンクマン指数が400以上になると肺がんのリスクが上昇します。そして、700以上になるとCOPDなどの呼吸器疾患や狭心症などの心疾患に罹患しやすくなり、喉頭がんや肺がんのリスクが高まります。

 また、ブリンクマン指数は35歳以上の禁煙外来受診者において、健康保険の適用になるか否かを判断する指標にもなっています。35歳以上の方はブリンクマン指数が200以上の場合のみ保険適用が可能と定められているのです。

 そのほか、近年ではブリンクマン指数を健康診断や人間ドックの問診項目に取り入れるケースも多くなっています。

3.指数の結果を看護に活かす!

 ブリンクマン指数が高いからといって必ずしもがんや呼吸器疾患に罹患しているわけではありません。しかし、ブリンクマン指数が高い患者さんは非喫煙者よりも圧倒的にさまざまな疾患にかかっている可能性が高く、なおかつ疾患が重症化しやすい状態にあるといえます。日々の看護では、これらのことを念頭に置いて慎重に状態を観察するようにしましょう。

 ブリンクマン指数が高い患者さんに対しては、体温などのバイタルをしっかり把握して咳や痰などの症状を見逃さないようにします。もし何らかの異常がある場合は、できるだけ早く医師に報告することが大切です。

参考文献

●ソニー健康保険組合 禁煙豆知識・喫煙指数(ブリンクマン指数)とは?(2019年12月19日閲覧)https://www.sonykenpo.or.jp/member/health/nonsmoking/nonsmoking_mame20.html

●日本医師会ホームページ 健康の森 喫煙指数(2019年12月19日閲覧)https://www.med.or.jp/forest/check/copd/02.html

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