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【連載】消化器科で必要な看護技術を学ぼう!

消化器ドレーンのミルキング

  • 公開日: 2021/7/3

ミルキングとは

 ミルキングとは、ドレーンの中に詰まった排液を流す手技のことをいいます。


 NGチューブなど食物残渣によって詰まりやすいドレーンや、排液量の減少がみられてるドレーンに対して行います。


ミルキングの目的

 ミルキングは、ドレーンの詰まりの防止を目的として行います。そのほかにも排液量の減少を認めた場合に、スムーズな排液を促すという目的もあります。


適応と禁忌

適応

 通常であれば、腹腔内に留置されているドレーンはミルキング可能です。しかし、術後に腹腔内に留置されているドレーンで持続的に陰圧がかけられるバッグの場合は、過度な圧をかけてのミルキングは不要です。


禁忌

 膵管チューブへのミルキングは、膵液が逆流して腹腔内に漏れる可能性があるため禁忌です。排液が減少している場合は、詰まっていないかの確認を医師へ依頼しましょう。


 以前は、ローラーなどの器具を使ってミルキングを行っていましたが、現在はシリコン製チューブに対する器具を使ったミルキングは禁忌とされています。器具を使用することで、チューブの破損を起こす可能性があるためです。


実際の手順

1 実施すべきかアセスメントする

 何時間ごとに実施するなどの決まりはありません。ミルキングを行う際にはまず、ミルキングすべきかどうかをアセスメントしましょう。主に以下のことを確認します。


  • 本当に排液量は減少しているか
  • 前回のしめ(排液を捨てて)からどの程度減少がみられるのか
  • 刺入部からの漏れがないかどうか

  •  これらのポイントをチェックし、排液量が減少していて見るキングが必要だと判断した場合に行います。刺入部からの漏れがあり、明らかに身体の外側にあるチューブに詰まりが見られる場合はミルキングを行います。


    2 実施の手順

    <右利きの場合>

    ①手指消毒をし、手袋をはめる


    ②指でドレーンを押さえる
    両方の手でドレーンの詰まっていそうな場所を挟み、左手でチューブを押さえます。左手が患者さんの身体側、右手が排液バッグ側になるようにしてドレーンを持ちます。


    ③指を滑らせ、チューブをしごく
    右手でドレーンを挟んだまま、排液バッグ方向へ滑らせます。このとき、左手は患者さんからドレーンが抜けないように押さえます。施設によっては、滑りをよくするためにアルコール綿を使用することもあります。ミルキングの回数に決まりはありません。
    ※左利きの場合は手を逆にして行います


    ミルキングの手順"


    ④観察をする
    ミルキング後は、バッグ内に浮遊物があるかどうか、排液量に変化はあるかなど、実施前と比較をします。


    実施時の注意点

     チューブの種類によってはミルキング不要なものもあるため、ミルキング可能なドレーンかどうかは必ず事前に確認しましょう。現在は、シリコン製のチューブが多いため、手で行うことがほとんどです。器具を使うかどうか迷ったときは、製品の添付文書を確認しましょう。


     ミルキングを行う場合は、ドレーンを破損しないよう過度な圧はかけないように注意します。利き手と反対の手でしっかり押さえ、ドレーン自体を引っ張らないようにしましょう。


     逆流を防ぐため、必ず排液バッグの方向へ流すことを徹底することも大切です。


     腸閉塞時に挿入するNGチューブの場合、初期は食物残渣などで詰まることがあるため、食物残渣が多い、詰まりそうな場合には、ミルキングとともにシリンジで引くことも検討します。


    医師へ報告が必要な場合

     排液量の急激な減少、挿入部からの排液や浮遊物(血液、フィブリン)による詰まりが考えられる場合は無理に開通しようとせず、医師へ報告をします。ミルキング後に排液量が変わらず、少ないままである場合も同様です。


     胆管・胆嚢ドレナージに使用するピッグテールカテーテルは内腔が細いため、あまり強く力を入れずにミルキングを行います。軽いミルキングで解除されない場合は医師へ報告しましょう。


     消化液が刺入部から漏れていると皮膚トラブル(発赤・疼痛・びらん)の原因になります。ミルキングを行い、詰まりが考えられなくても医師へ報告し、ドレッシングの交換を依頼します。




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