アトピー性皮膚炎の新しい治療法を知らない―「アトピー性皮膚炎の治療実態調査」で浮き彫りに
- 公開日: 2023/9/15
サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岩屋孝彦)は、アトピー性皮膚炎患者さんの疾患に対する認識、治療実態、治療に対する認知や考えについて理解を深めることを目的として、20代から60代のアトピー性皮膚炎患者さんを対象に、「アトピー性皮膚炎の治療実態調査」を実施しました。
新しい治療法の情報、行き届かず
アトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法について知っているか質問したところ、中等症以上の患者さんの30%が「全く知らない」、39%が「あまり知らない」と回答ました。アトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした治療薬が登場してから5年経過した現在でも、新しい治療法があることを知らない患者さんが約7割にのぼることが明らかになりました。
アトピー性皮膚炎は「症状を繰り返す病気」と考える患者さんが多数
「アトピー性皮膚炎をどのようの病気だと思いますか」との質問に対しては、71.2 %の患者さんが「症状がくりかえす病気」と回答しており、多くの患者さんが「よい状態をキープできる」とは考えていないことがわかりました。
中等症以上の患者さんの半数以上が自己判断で治療を中止した経験
中等症以上の患者さんの半数以上が、治療を自身の判断でやめてしまった経験が「ある」と回答しました。軽症以下の患者さんよりも、中等症以上の患者さんのほうが、途中で治療を中断してしまった経験が多い結果となりました。
9割の患者さんが治療目標について医師と相談せず
治療の目標(ゴール)については、半数以上の患者さんがもっていると回答したものの、「医師と相談して、もっている」という患者さんは12.6%と、患者さんの9割が治療目標について医師と相談していないことが明らかになりました。
治療に対して諦めを抱く患者さんも
治療目標をもっていると回答した患者さんに、アトピー性皮膚炎の治療目標はどのような状態であるかを質問したところ、「症状は出るが、日常生活に支障がないこと」が43%で、「全く症状が出なくなること」は41.3%でした。「全く症状が出なくなること」よりも、「症状は出ても、日常生活に支障がないこと」を治療目標と考えているほうが上回る結果となり、治療でよい状態を目指すことへの諦めがみえる結果となりました。
信頼できる情報の判別難しく
世の中にあるアトピー性皮膚炎に関する情報で困っていることについての質問では、「信頼できる情報と、そうでない情報の判断がつかない」が最多回答となりました。中等症以上の患者さんの約7割がアトピー性皮膚炎の原因物質を標的とした新しい治療法があることを知らないという調査結果も出ていますが、信頼できる情報の判別の難しさが要因の一つとなっているのかもしれません。
サノフィ株式会社では、今後もアトピー性皮膚炎の最新状況を交えた疾患啓発に努めるとしています。
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