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【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

排便コントロールを実施する患者さんに関する看護計画

  • 公開日: 2025/3/24

高齢による長期臥床で排便コントロールが必要な患者さんに関する看護計画

 高齢や長期臥床によって筋力が低下したり腸の蠕動運動が低下することで排便がスムーズに行えない場合があります。定期的に排便があっても残便感があったり、硬い便が続いたりした場合は便秘と考えます。便秘が慢性的に続いて日常生活に支障をきたすのであれば、食事量や水分量の指導、薬剤の使用や摘便等の介入が必要となります。今回は、高齢による長期臥床で排便コントロールが必要な患者さんに関する看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P 患者さんの排便状況について把握する。性状は、客観的に記録するためにブリストルスケール等を用いるとよい。食事量や水分量について確認する。腹部症状や倦怠感、不快感等がないかも把握しておく。

援助計画 T-P どのような排便方法がよいのかを検討し、排便環境を整える。食事や水分摂取について、必要な量を摂取できるよう援助する。腹部症状がある場合は、緩和できるようなケアを実施する。薬剤が処方されている場合は、適切に服用できるように援助する。

教育計画 E-P 治療などによって便秘になることもあると伝える。食事や水分などの必要性を伝えるとともに、苦痛があれば我慢しなくてよいと話す。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

長期臥床で便秘が生じている

看護目標

症状が緩和されて自分なりの排便コントロールができる

観察計画 O-P

排泄状況(排便回数、量、性状、間隔など)
随伴症状の有無、程度
腹部症状の有無、程度
食事や水分の摂取状況
体重の推移、In-Outバランスの推移
倦怠感の有無、程度
原疾患の治療状況
検査データ(WBC、CRPなど)
画像データ(腹部XP、CT、腹部エコーなど)

援助計画 T-P

排便環境を整える
ADLやセルフケアに応じて排泄方法を考える
腹部症状に応じて安楽に過ごせるように環境を整える
可能な範囲で食事や水分摂取の方法を工夫する
医師の指示に基づく薬剤を使用する

教育計画 E-P

治療に関連して大腸の機能が変化する可能性を説明する
食事や水分と便秘の関係について説明する
苦痛を我慢せず伝えてもらうように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する

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