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【連載】脳神経外科看護のQ&A! 皆さんの疑問にお答えします!

麻痺側の拘縮、どう予防する?

  • 公開日: 2026/1/2

Q.麻痺側の拘縮を予防するためのケアのポイントを教えてください。
A.ポジショニングなどのケアにより、筋緊張の亢進と不動の状態を抑制し、早期予防に努めます。

拘縮予防の重要性

 脳卒中では、上位運動ニューロン障害(中枢性麻痺)により、運動麻痺が起こるケースが多くみられます。麻痺が生じているところへさらに、異常な筋緊張の亢進、長時間の不動に伴う組織の硬化や筋短縮が起こることで、拘縮へとつながっていきます。

 麻痺による拘縮は可動域の制限、疼痛、機能障害を引き起こし、患者さんのADLに大きく影響するため、早期予防が非常に重要です。多職種と連携を図り、質の高いケアの提供に努め、早期予防につなげましょう。

拘縮予防のためのケアのポイント

 拘縮を予防するためにリハビリスタッフが介入するケースもありますが、その時間は限られており、看護師が日常のケアのなかで取り組んでいくことが必要です。特に急性期では、患者さん自身で身体を動かせない状態が続くため、筋緊張の亢進と不動の状態を抑えるためのケアを取り入れていきます。

適切なポジショニングの実施

 拘縮予防のケアで最も重要なのがポジショニングです。適切で安定したポジショニングは、筋緊張を緩和させるだけでなく、患者さんの不安の軽減にもつながります。ベッドや車いす上では、関節が正しい位置にくるように姿勢を整え、クッションやタオルなどを活用して安定性を維持します(図1)。あわせて、患者さんがリラックスできる姿勢になるように配慮します。

 また、筋緊張の亢進により、尖足(足関節が底屈位で固定され、背屈ができなくなった状態)が起こることがあります。尖足を予防するために、足関節を背屈位に保つことも必要です(図2)。

図1 仰臥位のポジショニングの例

図2 尖足予防の例

関節可動域訓練の実施

 不動の時間ができるだけ短くなるように、清拭や体位変換を行うときに、手足の指関節、股関節、膝関節の屈曲・伸展をゆっくりと繰り返すといった、ベッド上でもできる関節可動域訓練などを取り入れるとよいでしょう。

共同運動パターンへの対応

 脳卒中で運動麻痺が生じた患者さんでは、回復過程で共同運動パターンがみられることがあります。特定の筋肉を動かそうとすると、関連する他の筋肉も動いてしまう現象で、脳卒中でみられる共同運動パターンは主に4つです(図3)。

 共同運動パターンの出現では、麻痺側の筋緊張が強くなり、拘縮のリスクが高まります。看護師としては、脳卒中でみられる共同運動パターンを把握しておき、清拭、体位変換、おむつ交換などのタイミングで、パターンとは異なる動き(例:屈曲している場合は軽く伸展させる)を行うようにするとよいでしょう。筋緊張を緩和させること、不動の時間が短くなるように意識すること、同じパターンで固まってしまうのを防ぐことで、拘縮予防につなげます。

図3 脳卒中でみられる主な共同運動パターン

共同運動パターン

参考文献

●奈良 勲,他編:拘縮の予防と治療 第2版.医学書院,2008.
●笠原 隆,他:脳卒中後痙縮のマネジメントと治療.The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 2018;55(6):448-52.

イラスト/たかはしみどり

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