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【連載】女性のがんのケア

第3回 メカニズムと患者さんへの影響からみる女性のがん(その2)

  • 公開日: 2012/12/27
  • 更新日: 2020/10/21

今回は子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんの特徴について解説します。


子宮頸がんと子宮体がんでは特性や傾向が違う

子宮頸がんの罹患率は、20歳代後半から30歳代後半をピークにその後は横ばいで推移し、70歳代後半からまた増加します。

子宮頸がんは子宮頸部にできるがんで、発症にヒトパピローマウイルス(HPV)が関連しています。

組織型は約70%を扁平上皮癌が占め、ほかに腺癌などがんもみられます。症状は初期がんではほとんどみられず、帯下の増量や進行に伴う不正性器出血などで気付く場合もあります。

検診や外来等で、比較的容易に細胞や組織採取が可能なので、早期発見が可能ながんです。

治療法は病期によって異なり、手術療法では早期であれば円錐切除術を行い、妊孕性の温存も可能です。

少し病期が進むと子宮の摘出が基本となり、広汎子宮全摘出術が行われます。

また、扁平上皮がんは放射線療法がよく効くので、III期以降は、放射線療法を中心に化学療法と組み合せた外部照射と、子宮腔内まで線源を挿入する腔内照射が多く行われます。

子宮体がんの罹患率は、40歳代後半から増加し、50~60歳代でピークとなりそれ以降減少していきます。

子宮体がんは、肥満、高血圧、未産などがリスクファクターといわれています。

組織学的には類内膜腺癌がほとんどです。症状は早期から不正性器出血がみられ、漿液性から淡血性の帯下を認めます。

治療法は、初期の若年性子宮体がんでは、大量の黄体ホルモンを使って治療を行い、妊孕性を温存する場合がありますが、多くは手術療法で、単純子宮全摘出術や準広汎子宮全摘出術と両側付属器を切除するのが基本的です。

また放射線療法が行われることもあり、その場合は子宮頸がんと同様に外部照射と腔内照射が行われます。

※続いては、卵巣がんの特徴について解説します。
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検診でも発見されにくい卵巣がん

卵巣がんは、40歳代から増加し始め50歳代前半でピークとなり、それ以降は横ばいで推移し、80歳代から再び増加します。

リスクファクターは未産や遺伝性のものといわれています。

卵巣の表面を覆う細胞から発生する上皮性がんが約90%を占めるがんで、初期は自覚症状がほとんどなく、検診でも見つかりにくいため、下腹部痛や腹部膨満などの自覚症状が出てから受診してわかる場合がほとんどです。

化学療法は上皮性の卵巣がんによく効くので、術前化学療法として、また術後の補助化学療法として行われます。卵巣がんで行われる手術は、単純子宮全摘出術、両側付属器切除術、大網切除術です。

婦人科がんの患者さんは、診察部位が陰部から下腹部であるために、羞恥心に十分配慮する必要があります。早期がんの場合は妊孕性を温存することができますが、病期が少し進行してしまうと妊孕性の温存が難しくなり、治療法の選択や十分納得されたうえで治療に臨めるよう援助する必要があります。

女性のがんの視点からの患者さんへのかかわり

女性のがんの患者さんは、いずれもがんを治すだけでなく、治療によるボディイメージの変容、妊孕性喪失、女性性の喪失、セクシュアリティの問題、リンパ郭清に伴うリンパ浮腫発現の可能性も抱えることになります。

特に、乳がんでは、抗がん剤の副作用による脱毛や皮膚障害、乳房喪失に代表されるボディイメージの変容が、生殖器を摘出する子宮がんや卵巣がんでは、女性性の喪失感が大きくなります。

さらに、診療時から羞恥心を抱きがちなことも、患者さんには苦痛に感じることの一つになっています。

がんという病気は、将来にわたって再発・転移への恐怖と付き合い続けるため、患者さんは、無関係な頭痛や身体の痛みにも過剰反応し、全てをがんと関連づけてしまいがちになります。

がんになるとそれまでの健康観が大きく揺らぎ、自分の健康のコントロールに自信を失くしてしまいます。

また、がんが再発・転移した場合、患者さんはより死に近づいた印象をもつため、最初に告知を受けたとき以上にショックを受けるともいいます。

自己コントロール感が傷ついた患者さんに対しては、エンパワーメント、自尊感情、自己効力感がもてるようなサポートが必要となります。

そのため、患者さんの揺れる気持ちに寄り添いながら、気持ちに添った支援をしていくことが大切です。

看護師は、それぞれの病気を理解し、病期ごとの状態や治療法などを知り、次に患者さんに何が起こるのかを予測しておくことが重要になります。

日頃から、

(1)患者さんとの関係性の構築

(2)患者さんが病気や治療に関してどのように考えているか

(3)必要な情報収集と提供

(4)QOLを尊重した関わりをもつようにすれば、患者さんがサポートを要したとき、十分に応えることができるのではないかと思います。

※次回からは、女性のがんのケアでの具体的に困っていることをあげて、それにどう対応すればいいのかを考えます。

(『ナース専科マガジン』2011年1月号より転載)

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2012/12/27