1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 点滴・輸液
  5. 輸液の投与量・投与速度
  6. 簡単! わかる! 点滴の滴下数計算方法

【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

簡単! わかる! 点滴の滴下数計算方法

  • 公開日: 2014/3/30
  • 更新日: 2025/6/18

点滴の滴下数計算の基本

 点滴の滴下計算は日々の看護業務において行われており、患者さんの状態に応じて正確な輸液管理が求められるため安全に調整、管理する能力が必要となります。基本的な計算方法を理解し、実際の臨床において対応できるようにしておくことが、より安全な看護業務に繋がっていきます。

 滴下数の計算は、下記のように考えます。

1分あたりの滴下数=1時間あたりの投与量(mL/h)×1mLあたりの滴下数÷60秒

 1mLあたりの滴下数は輸液セットの種類で異なり、成人用の一般的な輸液セットでは1mLあたり20滴、小児用の輸液セットでは1mLあたり60滴となります。

成人の滴下数計算の方法

 例えば成人の患者さんに対する点滴で、500mLの輸液を4時間で投与するように指示が出た場合、まずは1時間あたりの投与量を計算します。500を4で割ると125mL/hになります。次に、これに成人用の輸液セットは1mLあたり20滴なので、20をかけて2500滴/hとなり、これを60分で割ると約41.6滴/分となります。四捨五入して、42滴/分となり、これが1分間に落とす滴下数となります。

成人の場合の滴下数計算方法解説

小児の滴下数計算の方法

 次に小児の場合は、例えば100mLの輸液を2時間で投与するように指示が出た場合、1時間あたりの投与量は100÷2で50mL/hになります。これに小児用の輸液セットは1mLあたり60滴なので、60をかけて3000滴/h、さらに60分で割ると50滴/分となります。

小児の滴下数計算方法解説

 成人でも小児でも、例えば化学療法で用いられる薬剤であったり、心疾患で体液管理が必要な患者さんなど、輸液を厳密に管理する必要なケースでは、輸液ポンプを使用したり、使用できない場合は点滴投与中は頻回に観察を行って医師の指示通りの滴下数を守る必要があります。

この記事を読んでいる人におすすめ

希釈液の濃度計算を攻略する!

【関連記事】 * 簡単! 楽ちん! 点滴の滴下数計算 2つの方法 * リンゲル液、乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液の違いは? * 【問題2】抗生剤と生食50mlを、30分間 成人用ルートで投与する時、1分間の滴下数はいくつ? 希釈液の濃度を求めるのは、%やm

2018/1/1

輸液ポンプの使い方・手順を再確認!【ねじ子】

輸液ポンプの取り扱いを間違ってしまうと、重大なインシデントやアクシデントにつながる危険性があります。 輸液ポンプのセット手順を再確認してみましょう。 シリンジポンプの使い方はこちら ■【シリンジポンプとは】間違ってはイケナイ! 手順を再確認 1 外

2015/3/4

第11回 ヘパリンロックと生食ロックについて

日常の輸液管理において、やはり、へパリンロックについての知識は必要です。というか、問題となっているのは、へパリンロックをしなくても生食でロックしておけばいいのではないか、ということですね。ナースの方々もこの問題については興味があると思います。今回は、へパリンロックか、生食での

2009/12/22

第4回 【点滴】輸液ラインの中に気泡を見つけたらどうする?

輸液ラインに気泡が入ったらどうなる? 4月になり、桜の花も散り・・・と思っていたら、あっという間に初夏になっております。病棟には新人ナースが配属され、なんとなく若返っている?そんな雰囲気になっております。そう、『若返っている』なんていう表現をすると、先輩ナース達に叱られそう

2009/5/20

ヘパリンロックとは? 正しい手順・量・フラッシュについて

留置針を使用しないときには、血液が固まるのを防ぐために、ヘパリン生食でルート内を満たす必要があります。 ヘパリンロックの正しい手順について解説します。 1 必要物品 患者さんにヘパリンロックについて説明をします。 説明例「点滴の管がつまらないようするための

2014/3/26

カテゴリの新着記事

急速投与が禁忌の薬剤を知っておきましょう!

急速投与が禁忌の薬剤について解説します。 関連記事 ■輸液量と投与速度の決定 ■点滴の投与量と投与速度はどう決められている? 急速投与が禁忌の薬剤を知っておきましょう 高濃度カリウム製剤や高濃度リドカイン製剤(点滴用リドカイン®10%)を誤っ

2015/2/4