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【連載】今さら聞けない! 基礎看護技術をおさらい

血糖測定器による血糖測定の手順・注意点

  • 公開日: 2016/11/10

血糖値の測定は、糖尿病など糖のコントロールが必要な疾患では不可欠な手技。
看護師による測定が適切な血糖コントロール、ひいては糖尿病患者さんのセルフケアの習得にもつながります。
しっかりと手順を確認していきましょう。



必要な物品

※具体的には各施設で定められた手順に従ってください。

・血糖測定器
・測定用チップ
・穿刺器具・穿刺針
・ディスポーザブル手袋
・ディスポーザブルエプロン
・ゴーグル
・アルコール綿
・膿盆(またはゴミを入れる容器)
・感染性廃棄物容器

血糖測定の手順

※具体的な手順は各血糖測定器の説明書に従ってください。

患者さんへの説明

患者さんに血糖を測定することを説明して同意を得ます。

患者さんに手を洗ってもらう

患者さんの手に果物の汁などの糖分が付着していると、測定結果を及ぼすことがあるため、手洗いをしてもらいます。

血糖測定器に電源を入れて、動作確認を行う

手指衛生を実施し手袋を着用する

血液曝露予防のため、必ず手袋・エプロン・ゴーグルを着用しましょう。

穿刺針を装着して、穿刺部位を決める

穿刺部位には、指先、手のひら・前腕などがありますが、基本的には測定値の変動が少なく、穿刺しやすい指先が選択されます(図2)。
手を使う作業が多い、血糖測定が長期にわたっているなど、指の皮膚が硬く厚くなっている場合は、穿刺器具の穿刺強度のダイアルを調整して穿刺の強さを強くするか、指先以外の部位を選択します。

指先では、中央部は痛みを感じやすいため、やや側面に穿刺するとよいでしょう(図1)。
皮膚が硬くなるのを防ぐため、毎回、穿刺する位置を変えるようにします。

指先の穿刺位置
手のひらの穿刺部位

穿刺部位をアルコール綿で消毒する

アルコールの成分が残っていると、測定結果に影響を及ぼすことがあるため、アルコールが十分に乾燥してから穿刺を行うようにします。

穿刺をする

穿刺する部位を支えている手をテーブルの上につけるなど、しっかりと固定してから穿刺します(図3)。
穿刺部位が十分に固定さていないと、うまく穿刺ができないこともあります。
指先に穿刺する場合、穿刺前に軽くマッサージをしておくと穿刺後に血液が出やすくなります。

図3固定の仕方

自然に必要量の血液が出ない場合は、軽く圧迫して血液を出す

測定機器によって、必要な血液量は異なります。例えばある会社の製品では、血液の目安量は直径約2.5mmの球状としています。
ただし、強く圧迫し血液を絞り出すと、組織液が混じり測定結果に影響を及ぼしてしまうため、あくまで軽く圧迫を行います。

測定用チップの先端を血液につけて測定する

血液は空気に触れると凝固し始めるため、迅速に測定用チップにつけます。

止血を行う

穿刺部分をアルコール綿で圧迫止血します。自立している患者さんには、セルフケアの習得もかねて、自分で止血してもらうようにしましょう。

穿刺針を廃棄する

針刺し事故防止のため、穿刺針はリキャップせずに専用の廃棄容器に捨てます。

測定結果が出たら、患者さんに伝え記録する

正常か異常(低血糖・高血糖)だけではなく、正常範囲内でも低下傾向にあるのか、上昇傾向にあるのかといった値の変動にも注意しましょう。

使用物品を片づける

アルコール綿など血が付着した物は、専用の廃棄容器に入れます。
測定用チップは製品の添付文書に従い、適切に処理します。

注意したい4つのポイント

1. 測定値にはバラつきがあることを知ろう

血糖測定器による血糖値は、毛細血管による測定のため、静脈血の採血による血液検査よりも10~20mg/dl程度高くなる傾向にあり、また採血する部位によっても若干の違いが生じます。
さらには、血糖測定器によっても測定値にばらつきがみられ、さらには同じ血糖測定器でも10mg/dl程度の誤差が生じることは少なくありません。
このように条件によって測定値の誤差が生じることを念頭において、必要ならば静脈血の検査結果と比較することも重要です。
また、できるだけばらつきの少ない正しい測定をするためにも、添付文書や施設の使用基準にしたがって測定しましょう。

2. 耳朶への穿刺は針刺し事故に注意

耳朶による採血において、穿刺針が耳朶を貫通し実施者が針刺し損傷を受ける事故が複数あったことから、厚労省より注意喚起がありました。
他の部位での採血を検討し、やむを得ず耳朶で採血する場合は、慎重に行いましょう。


1)耳朶等の組織が薄い部位への穿刺を行うと,組織を貫通した針で指を穿刺し,血液を介した感染のおそれがあること。
2)貫通のおそれがある場合には,他の組織の厚い部位での穿刺について検討すること。
3)耳朶等の組織が薄い部位への穿刺を行う場合には,穿刺部位の裏側を直接指で支えないこと。
4)穿刺する部位に関わらず,採血時には針刺しや血液との接触による感染のおそれがあるため,施術者は手袋着用等の血液曝露予防の対策をとること。


微量採血のための穿刺器具の取扱い時の注意について
http://www1.mhlw.go.jp/kinkyu/iyakuj/iyakuj/anzenseijyouhou/267-1.pdfより(2016年9月29日閲覧)

3. 採血部位はどこがよいのか?

採血部位には、指先の他に前腕、腹部、手のひらなどがあります。
指先がよく選択されるのは、毛細血管が発達しているため、血糖値がより正確に得られやすいという特徴があるためです。
ただし指先は、神経の分布が多く、他の採血部位に比べて、痛みを感じやすいというデメリットがあります。

前腕は痛みが少ないという理由で選択されることもありますが、指先と前腕との測定結果を比較した研究報告では、急激な血糖の変化時には指先に比べて前腕の反応は遅延する可能性があるとされます。

また、痛みが少なく、指先と同様の測定結果が得られるとして、手のひらによる採血に関する研究なども報告されています(参考文献1参照)。

4. 血糖値を変動させる因子を把握しよう

血糖を上昇させる因子には、食事やストレス、逆に低下させる因子には、運動、薬物(インスリン、経口血糖降下薬など)はあります。
こうした血糖値に影響を与える因子を把握して、血糖値をみる必要があります。
特に食後1時間以内の血糖値の変動が大きいことを知っておきましょう。

なお、測定のタイミングは、インスリンの投与回数など治療内容によって異なります。
通常は医師の指示が出ているので、必ず確認しましょう。


参考文献

1)Karsten Jungheim, MD and Theodor Koschinsky, MD:Glucose Monitoring at the Arm.Diabetes Care,2002 Jun; 25(6): 956-960.

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