低酸素血症と高二酸化炭素血症の症状を見極めよう
- 公開日: 2014/4/20
低酸素血症には4つの原因がある
- ●肺胞低換気:吸ったり吐いたりする力が弱まり、1分間に肺を出入りする空気の量が少なくなっている状態。高二酸化炭素血症を伴っているためPaCO2の値が高くなります
- ●換気血流比不均等:臨床で一番多いとされる原因です。血流量が豊富な部分に換気量が少ない肺胞が多数存在しているため、そこに流れる静脈血が十分に酸素化されず、全体としてPaO2が低下することになります。 喘息発作や肺炎、肺水腫、COPD、気管支拡張症などで見られ、痰が詰まったとき、肺塞栓などで血管が詰まったとき、などに起こります。重力の影響により、座位の場合は下側肺に血流が多くなるなど、姿勢によって状態が変わります
- ●シャント:一部の肺胞でまったく換気が行われず、静脈血がそのまま流れていく状態。臨床では、痰が詰まることによる無気肺でよく見られます
- ●拡散障害:一部の肺胞の肺胞毛細血管膜が厚くなったり、間質に水が溜まったりして、ガス交換ができなくなった状態です。主に、間質性肺炎や肺水腫で起こります
低酸素血症の症状をアセスメントしてPaO2を予測する
低酸素血症の症状には、呼吸困難、不穏、見当識障害、不整脈などがあり、さらに低酸素が進むと徐脈など重篤な症状が現れます。また、その症状からおおよそのPaO2値が予測できます(表1)。
慢性呼吸不全の場合には、症状が現れにくいので、労作時の呼吸困難の有無を多方面からチェックすることが重要です。
症状 | PaO2値 |
呼吸困難、心悸亢進 | 60〜40Torr |
精神症状(不穏、興奮、見当識障害)、チアノーゼ、不整脈 | 40〜20Torr |
徐脈、昏睡 | 20Torr以下 |
高二酸化炭素血症の症状と見極めも知っておこう
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