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【連載】こんなときどうする? 採血・注射・輸液の困難ケース攻略法

採血・輸液時の駆血帯の上手な巻き方、適切な強さ(圧)・時間が知りたい!

  • 公開日: 2015/2/18
  • 更新日: 2025/7/11

攻略法1:新しい駆血帯は前処理をしておく

 駆血帯の素材には、ゴムバンドやベルクロタイプなどさまざまな種類がありますが、チューブ状のアメゴム製タイプの場合、新品ほどツルッと滑って外れやすいことがあります。使用前にアルコールで表面を拭く、よく伸ばすなどの処置を行っておくと、外れにくくなります。

攻略法2:適切な圧を体得しよう

 駆血帯を締める際の適切な圧は、通常40mmHg程度とされ、動脈の血流を妨がず、静脈の血流を適度に遮ることのできる圧としています。腕の肌の色を確認して、色が悪い、白っぽくなるのであれば、締め過ぎのサイン。患者さんから「痛い」「痺れる」などの訴えがあるはずです。駆血帯を締めたときも「痛くないですか?」と確認しましょう。

 また、寒い時期にセーターなどを着込んでいる状態で腕まくりをすると、駆血帯と同様に腕が締め付けられています。採血終了後に腕まくりを戻すと出血が激しくなることがあるので、事前にセーターを脱いでもらうなど、安全な採血のために協力を依頼します。

攻略法3:目安時間&凝固に注意

 駆血時間はうっ血を防ぐためにも、1分以内を目安にしましょう。駆血時間が長くなることで、測定値に影響が出ることがあります(表1)。また、採血では目安時間を超えると血液凝固が起こりやすくなり、血液の性状が変化するため、正確なデータが得られなくなることがあります。採血は、1分以内に終わらせるようにします。

表1 駆血により偽高値になる主な検査項目

赤血球数、Ht、ALT、CK、総ビリルビン、LD、アルブミン、ALP、総タンパク、総コレステロール、TG、AST、カルシウム
日本臨床検査標準協議会:補遺2 採血手技が血液検査の測定値に与える影響.標準採血法ガイドライン.日本臨床検査標準協議会,2019,p.47より引用

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