【気胸の看護】 原因とメカニズム
- 公開日: 2015/12/13
- 更新日: 2021/1/6
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自然気胸の原因とメカニズム
気胸は、壁側胸膜や臓側胸膜に開いた穴から、胸腔内に空気が流入して貯留した状態をいいます。
穴が開く原因によって自然気胸、外傷性気胸、医原性気胸の3つに大別されますが、もっとも多いのが自然気胸です。
●自然気胸
ブラ・ブレブ(肺の中にできる異常気泡の一種)が破裂して発生する原発性気胸と、COPDや肺がん、子宮内膜症などの基礎疾患に伴って発生する続発性気胸があります。
●外傷性気胸
交通事故や転落などによる、胸部外傷が原因で発生します。
●医原性気胸
経皮肺針生検や中心静脈カテーテル挿入などの医療行為に伴って起こります。
通常、胸腔内は陰圧(大気圧より-5~-8cmH2O)に保たれています。これによって肺は引っ張られ、肺自体の弾性(縮む力)と均衡がとれ、膨張を保持しています。
しかし、気胸になると、胸腔内圧が変化して陰圧が保持できなくなります。その結果、肺の弾性により肺が膨らむことができなくなって萎んでしまいます(この状態を肺虚脱といいます)。
自然気胸のメカニズムとドレナージの働き
また、緊張性気胸は、損傷部のチェックバブル機構により、胸腔内に一方的に空気が流入するため、肺が高度に虚脱することで起こります。
この場合、緊急の胸腔ドレナージが必要になります。
胸腔ドレナージの目的
胸腔内に貯留した空気を胸腔外へ排出することによって、
- 肺の虚脱を改善し、
- 再膨張を促す
ことを目的に行います。
(『ナース専科マガジン』2013年4月号から改変利用)
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