【腎不全】輸液ケアの3つの見極めポイント
- 公開日: 2014/10/18
腎不全の輸液ケアについて、3つの見極めポイントを紹介します。
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腎機能を知るための5つのポイント
ポイント1 腎機能を評価する
▷BUN、Cr、糸球体ろ過量で、腎臓の機能をみる
血中尿素窒素や血中・尿中のクレアチニンなどの検査を行うとともに、尿量を測定し、糸球体ろ過量を計算することで腎機能を判断します。
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ポイント2 血液データをチェックする
▷電解質K、Na、CaとpHをみる
血清電解質は、主にカリウム、ナトリウム、カルシウムを調べます。
血清カリウムは疾患の緊急度を判断する上で重要です。血清カリウムの基準値は4mEq/L前後(3.7~5.0)で、5.5mEq/Lを超えると高カリウム血症といいます。7mEq/Lを超えている場合は重篤で、人工透析が必要になることがあります。
血液ガスデータでアシドーシスに傾いていないか、低酸素血症をきたしていないかも確認します。
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ポイント3 心電図をチェックする
▷高K血症の徴候の有無
血清カリウムが6mEq/L以上の高値になると、心電図に特有の変化が現れます。
T波がテントのように尖った形になる「テント状T」や、QRSの幅が広がる「ワイドQRS」、P波の消失などがみられるようになり、さらに進行すると心室細動へと移行します。
ポイント4 浮腫の程度をみる
▷全身、肺の複雑音の聴取、胸部X線をチェック
全身の皮膚を観察し、可能であれば体重を測定して、浮腫の状態やその変化を把握します。また肺の音と胸部エックス線によって、肺水腫の状態を確認します。
ポイント5 尿量を確認する
▷正確に尿量を測定する
輸液量は尿量に合わせて調整するので、正確な尿量測定が求められます。
利尿期に入り、大量の尿が排泄されるようになったときは、輸液量が不足すると循環血液量の急激な低下を招き、また腎不全を引き起こしてしまうため、尿量は時間ごとに確認します。
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続いて「輸液ケアの3つの見極めポイント」について解説します。