心電図でみる洞不全症候群(SSS)の波形・特徴とは?
- 公開日: 2015/2/18
洞不全症候群の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。
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不整脈の看護|検査・治療・看護のポイント
心電図でみる洞不全症候群の特徴
洞不全症候群はルーベンシュタイン分類によってⅠ群~Ⅲ群まで分けられています。
I群「特定原因のない洞性徐脈(HR<50/min)持続性洞性徐脈」
RR間隔の延長
Ⅱ群「洞停止」「洞房ブロック」
■洞停止
P波が一定のリズムで現れず、PP間隔が延長する
■洞房ブロック
P波が一定のリズムで現れず、PP間隔が延長する。延長したPP間隔のそれまでのPP間隔の2倍、もしくは整数倍となる 実際には、洞停止と洞房ブロックとの鑑別は難しい
Ⅲ群「徐脈頻脈症候群」
Ⅰ、Ⅱ群のほかに心房粗動(AFL)、心房細動(AF)、発作性上室頻拍(PSVT)といった頻脈を伴うもの ※突然、心房細動の後に脈が戻りその後すぐに洞停止になった場合、失神する可能性がある
洞不全症候群の症状、治療などの特徴
どんな不整脈?
心臓の最初の興奮が起こる洞結節、またはその周囲の障害のため、「洞性徐脈」や洞結節での興奮が起こらない「洞停止」、洞結節は機能しているが心房に刺激が伝わらない「洞房ブロック」などを生じます。
洞不全症候群は、ルーベンシュタイン(Rubenstein)分類により、I群からIII群まで分けられています。運動時などにも心拍数の上昇がみられず、慢性的にアダムス・ストークス発作、心不全、易疲労性などの症状を呈します。症状が軽度で、自覚症状があまりないことも多いのですが、だんだんと徐脈が高度になっていないか、持続していないか、注意してみていく必要があります。
不整脈そのものは致命的ではありませんが、日常のQOLを著しく低下させます。それだけではなく、車の運転中に失神を起こしたり、失神による転倒転落などは命にかかわる事故となります。
また、心房細動などの頻脈性不整脈を合併している例もあり、徐脈と頻脈が交互に現われます。
どんな危険がある?
1. 突然、失神を起こす可能性があり事故につながりやすい
危険なサインは?
1. 息切れ、眼前暗黒感、めまい、けいれんなどの症状
2. 持続する高度の徐脈(RR間隔の延長)
主な症状
1. アダムス・ストークス発作
2. 心不全症状
3. 易疲労感
主な原因
1. 加齢
2. 虚血性心疾患
3. 心筋症
4. サルコイドーシスなどの浸潤性病変
5. 炎症性病
6. 家族性発症など
主な治療
1. 心臓電気生理学的検査(EPS)で重症度の判定
2. 原則として3秒以上の停止や失神発作歴があればペースメーカー植込み術の適応
(『ナース専科マガジン』2010年1月号から改変利用)