CASE15 乳癌オペ後の自宅でのリハビリ継続の難しさ
- 公開日: 2017/5/10
困難事例15 放射線治療を挟んでリハビリの継続が途絶えてしまったケース
82歳独居の女性のBさん。1年以上前から胸のしこりに気がついていたが、家族に心配をかけたくないために、症状を隠し、受診せずに生活を続けていた。その結果、腫瘍はカリフラワー状の自壊創へと巨大化し、痛みを我慢できなくなったため2016年に受診、左腋窩に転移のある進行性の局所乳癌と診断された。
Bさんからは「もう歳だし死んでもかまわないと思っていた」と発言があり、術前は生きる意欲がなく無気力であった。しかし手術により巨大な腫瘍が除去されると、前向きな発言が聞かれるようになってきた。そこで自宅でのリハビリをサポートするためと、創の処置のため、訪問看護が開始となった。
カンファレンスの理由
退院直後は特別指示書が出たため、毎日看護師が訪問し、創の処置と左腕を動かすリハビリを継続できていた。Bさんは痛いながらもなんとか動かし、腕の可動域は160度程度まで拡大してきていた。しかしその後、放射線治療により1カ月程度の休みがあり、訪問看護がなくなった間、Bさんは全く自主的なリハビリをしなかったため、可動域は100度まで下がってしまった。
そこで再度リハビリを目的として訪問看護が再開になったが、前回とは異なり特別指示書はなく週1回の訪問しかできないため、どのようにかかわれば自主的なリハビリを継続できるようになるか、カンファレンスすることとなった。