手術によるDVTのリスクはどう評価して、予防する?
- 公開日: 2019/8/6
DVTとは
DVT(deep vein thrombosis)とは深部静脈血栓症のことで、皮膚を見たときに浮き出ている表面の静脈ではなく、身体の深いところにある静脈に血の塊ができ、栓をして流れを止めてしまう疾患です。足の静脈にできることが多く、血栓が血流に乗って肺動脈に達して詰まってしまうと肺血栓塞栓症(PTE:pulmonary thromboembolism)という重篤な状態に陥ってしまいます。PTEの原因の約90%はDVTと言われており1)、非常に危険な疾患であるとともに予防が重要な疾患です。また、DVTとPTEを合わせて静脈血栓塞栓症(VTE:venous thromboembolism)と言います。
血栓形成の要因としてVirchowの三徴があります。Virchowの三徴とは①血流の停滞、②血管壁の損傷、③凝固機能の亢進のことです。
①血流の停滞
DVTの発生部位として下腿静脈が最も多く、下腿静脈は腓腹筋を動かすことでポンプのように血液を心臓へと送り出します。そのため、長期臥床や長時間の座位により、足を動かさない状態が続くと血流が停滞し、血栓が生じやすくなります。
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