第4回 免疫チェックポイント阻害薬に よって起こる 皮膚障害のケア【PR】
- 公開日: 2020/8/18
がんの治療に用いられる免疫チェックポイント阻害薬は、免疫に作用するため、
従来の抗がん薬とは違った副作用がみられます。
第4回は、免疫チェックポイント阻害薬を使用したことでみられる皮膚障害について解説します。
免疫チェックポイント阻害薬
免疫チェックポイント阻害薬で起こる皮膚障害
免疫チェックポイント阻害薬は、腫瘍免疫をつかさどるT細胞を活発化して、免疫によるがん細胞の排除を促す抗がん薬です。活性化したT細胞が、がん細胞以外の正常な細胞を攻撃することで、副作用が生じます。今まで潜在的にもっていた自己免疫性の疾患が、急に顕在化してくることもあります。
皮膚障害としては、はじめはただ痒みを訴える患者さんが多いようです。免疫機構の変化がきっかけとなり、突然症状が出現します。一般に症状は投与初期からみられるといわれますが、甲状腺機能の異常と時期が重なって皮膚障害が出現した患者さんもおり、いつみられてもおかしくないものとして、常に注意はしなければならないでしょう。痒みのほかには、発疹が出たり、扁平苔癬や尋常性乾癬がみられることがあります。
休薬してもすぐには皮膚障害が治まらないことが多く、症状が治まるまでに半年かかることもあります。これは、薬剤による免疫機構への影響が元に戻るまでの期間が必要になるためではと考えられています。
免疫チェックポイント阻害薬投与後に副腎皮質ステロイド薬を用いる場合、感染予防のため抗菌薬のST合剤(バクタ)を用いることがあり、これによる薬疹がかなり出現します。ステロイド薬が高用量のうちは薬疹が目立たず、減量時にST合剤の薬疹が顕在化してくることがあり、薬疹を免疫関連の副作用と勘違いすることもよく経験します。ST合剤を中止するだけで皮疹が全部治まることもありますので、「もしかしたらほかの薬の可能性かもしれない」という視点も必要です。
皮膚障害はいつ出現してもおかしくないうえに、何かあったら「それ以外の原因はないか」という形でみていく必要があるかと思います。
表 おもな免疫チェックポイント阻害薬
皮膚障害のケアと看護師の役割
皮膚障害の予防は、どんな状態でもやはり保清と保湿です。発症後は抗アレルギー内服薬である抗ヒスタミン薬に、ほかの薬剤を追加して症状を抑えることが多く、皮疹が出現していない場合はステロイド薬を塗らずに、飲み薬でコントロールするようにしています。
尋常性乾癬や扁平苔癬がみられる場合は、ステロイド薬だけでは効きにくいため、ビタミンD3などの通常の皮膚科で行う治療を加えます。尋常性乾癬は、ステロイド薬により悪化して膿疱性乾癬になることもあります。段階ごとの治療があり、これで効かなかったら次の治療、次の治療といろいろありますので、ステロイド薬ばかりを使うのではなく、別の治療法について皮膚科にコンサルトするのがよいと思います。
ステロイド薬が効きにくいことが案外ありますので、皮膚に厄介な症状がみられたときには、皮膚科を受診するのが早いかもしれません。
皮膚障害で一番多いのは痒みですが、どのくらい痒みが辛いのかについては、看護師さんのほうが上手く引き出せるかと思います。患者さんは医師の前では「うん、大丈夫、大丈夫」と言うのですが、カルテを遡って看護師さんが先に看てくださっているのをみると、さまざまな訴えが書いてあったりします。医師には「別に変わらないよ」と言うのですが、カルテを遡ると、意外にも本音を話しています。「あ、実は本当はあまり眠れていないな」など日常生活の様子が書かれていると、薬剤を変更しないといけないかなといった目安になりますので、どのくらい辛いのかが具体的にわかるととても助かります。
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