1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. スケール・指標
  5. RIFLE基準、pRIFLE基準

【連載】スケール・評価基準を使いこなそう!

RIFLE基準、pRIFLE基準

  • 公開日: 2021/8/11

RIFLE基準、pRIFLE基準は何を判断するもの?

 RIFLE基準とpediatric-modified RIFLE (pRIFLE)基準は、「急性腎障害(acute kidney injury:AKI)」の重症度を評価するためのスケールです。RIEFLE基準は成人に、pRIFLE基準は小児に用いられます。


 これまで、短時間で急激に腎機能が低下した状態は「急性腎不全(acute renal failure:ARF)」と呼ぶのが一般的でした。


 しかし、軽度の腎機能低下であっても、腎予後や生命予後を悪化させる場合があるほか、ARFには統一された定義、診断基準などが存在せず、予防や治療に関する臨床試験間での比較検討や有益な疫学調査の妨げとなっていました1)、2)


 このような背景から、より軽度な腎障害も含めたAKIという概念が用いられるようになり、ARF/AKIの統一した診断基準および分類として、2004年にRIFLE基準3)が、2007年には小児に適応できるよう修正したpRIFLE基準が提唱されました4)


RIFLE基準、pRIFLE基準はこう使う!

 RIFLE基準においてARFは、血清クレアチニン(Cr)値の上昇、糸球体濾過量(GFR)の低下、尿量の低下によって定義され、さらに3つの重症度(Risk、Injury、Failure)と、臨床的観点から2つの分類[Loss、end-stage kidney disease(ESKD)]がなされています(表1)。


表1 RIFLE基準

RIFLE基準、RIFLE分類

Bellomo R, et al : Acute renal failure : Definition, outcome measures, animal models, fluid therapy and information technology needs. The Second International Consensus Conference of the Acute Dialysis Quality Initiative (ADQI)Group. Crit Care 2004;8(4):204-12.をもとに作成


 重症度はGFR値と尿量を基準にして評価しますが、GFR基準と尿量基準で分類が異なるケースでは、重症度の高いほうを採用します。


 なお、小児は血清Cr値が年齢とともに変化するため、pRIFLE基準では腎機能を推算クレアチニンクリアランス(eGFR)で評価することとされています(表2)。


表2 pRIFLE基準

pRIFLE基準

Akcan-Arikan A, et al:Goldstein SL. Modified RIFLE criteria in critically ill children with acute kidney injury. Kidney Int 2007;71(10):1028‒35.をもとに作成


RIFLE基準、pRIFLE基準の結果を看護にこう活かす!

 RIFLE基準・pRIFLE基準は、早急な対処を講じることで腎機能のさらなる悪化を防ぐ目的で提唱されたスケールです。日常の看護の場においても、患者さんの尿量や尿の性状の変化などに注意し、AKIを早期段階から見逃さないことが大切です。


 患者さんに尿量の減少や濃縮尿などが認められたときは、RIFLE基準に当てはめて評価を行い、「Risk」以上に該当する際は速やかに医師に報告します。


 また、AKIは急激に悪化することがあるため、「Risk」以上に分類される患者さんに対しては尿量変化だけでなく、バイタルサインや浮腫の有無などを慎重に評価し、早く変化に気付けるようにしましょう。


 尿量変化を認めないAKIもあるため、投与中の薬剤や補液量の影響を鑑みながら、全身状態をしっかり把握します。


引用・参考文献

1)Kellum JA, et al:Developing a consensus classification system for acute renal failure. Curr Opin Crit Care 2002;8(6):509-14.

2)Ravi Thadhani,et al:Acute Renal Failure.N Engl J Med 1996;334(22):1448-60.

3)Bellomo R, et al : Acute renal failure : Definition, outcome measures, animal models, fluid therapy and information technology needs. The Second International Consensus Conference of the Acute Dialysis Quality Initiative (ADQI)Group. Crit Care 2004;8(4):204-12.

4)Akcan-Arikan A, et al:Goldstein SL. Modified RIFLE criteria in critically ill children with acute kidney injury. Kidney Int 2007;71(10):1028‒35.

●AKI(急性腎障害)ガイドライン作成委員会 編:AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016.日腎会誌 2017;59(4):419‒533.(2021年7月16日閲覧)https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/419-533.pdf

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

KDIGO基準、新生児修正 KDIGO 診断基準

KDIGO基準、新生児修正 KDIGO 診断基準は何を判断するもの?  KDIGO基準(表1)と新生児修正 KDIGO 診断基準(表2)は、急性腎障害(acute kidney injury:AKI)の診断や重症度判定を行うためのスケールです。 表1 KDIGO基準

2021/8/15