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【連載】スケール・評価基準を使いこなそう!

主観的包括的栄養評価(SGA)

  • 公開日: 2022/7/15

SGAは何を評価するもの?

 主観的包括的栄養評価(Subjective Global Assessment:SGA)は、患者さんの栄養状態を評価するためのスケールです。

 栄養アセスメント法は多々ありますが、SGAは特別な器具や装置などを用いず、病歴と触診などから得られる身体所見のみからスケーリングを行えるのが大きな特徴です。客観的に栄養状態を評価するための指標として用いられる身体計測値、血液検査や尿検査も必要なく、簡便に栄養状態を評価できる点もメリットといえます。

 軽度な低栄養状態は評価しにくいものの、中等度以上の低栄養状態のスクリーニングの精度は高く、血清アルブミン濃度をはじめとする、客観的な栄養評価の指標や身体計測値とよく相関することもわかっています1)、2)

SGAはこう使う!

 SGAでは、病歴〔体重変化、食事摂取状況の変化、消化器症状(2週間以上持続)、機能制限、栄養要求量に関係する疾患〕と、身体所見〔皮下脂肪の減少(上腕三頭筋、胸部)、骨格筋量の減少(大腿四頭筋、三角筋)、くるぶしの浮腫、仙骨部の浮腫、腹水〕の評価を行い、これらの結果を踏まえて、「良好」「中等度低栄養」「高度低栄養」の3段階にスケーリングします(表)。

 最終的な栄養状態の評価は検者の主観となるため、適切な評価を行うことができるよう、日頃からトレーニングを積んでおくことが必要です。

表 SGA

Detsky AS,et al:What is subjective global assessment of nutritional status?. JPEN J Parenter Enteral Nutr 1987;11(1):8-13.より引用

SGAを看護に活かす!

 栄養状態の悪化が予想される患者さんの看護にあたる場合は、簡易的に行うことができるSGAを用いて栄養状態を評価し、ケアに役立てていきます。特に、高度の栄養不良と考えられる患者さんでは、褥瘡や感染症などのリスクが高まるため、リスクを考慮したうえで、体位交換やバイタルサイン測定を含めた状態観察の頻度を決定するとよいでしょう。

 また、スケーリングを繰り返し行うことで、栄養状態の変化を把握できるため、栄養状態が悪化していると考えられる場合は速やかに医師に報告します。

引用・参考文献

1)Detsky AS,et al:What is subjective global assessment of nutritional status?.JPEN J Parenter Enteral Nutr 1987;11(1):8-13.
2)Sungurtekin H,et al:Comparison of two nutrition assessment techniques in hospitalized patients.Nutrition 2004 May;20(5):428-32.
●森澤茜,他:SGA(主観的包括的栄養評価).栄養-評価と治療 2011;28(2):18-21.

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