CNS-FACEⅡ(家族アセスメント)
- 公開日: 2022/9/22
CNS-FACEⅡは何を判断するもの?
CNS-FACEⅡとは、救急医療や集中治療医療など、クリティカルケアを受けている患者さん家族の心理的側面を評価するためのスケールです。
クリティカルケアを受ける患者さんの家族へのケアは看護の場でも非常に重要な事項の一つですが、ケアが十分行き届かなかったり、臨床の場で負担になることも少なくありません。
CNS-FACEⅡは、患者さん家族のニードとコーピングを数値化することで、簡便かつ短時間で、心理的側面を客観的に捉えられるため、アセスメントに要する負担の軽減が期待できます。一方で、心理的側面は数値では測れないことも多く、スケーリングの結果のみで家族へのケア方針を決めるべきではありません。
CNS-FACEⅡはこう使う!
CNS-FACEⅡの評価対象は対象家族1名とされており、一般的にはキーパーソンに対して行います。評価の頻度は1日1回が基本ですが、患者さんの状態が安定していて、家族の行動や心情に大きな変化が生じ得ない状況であれば、2日に1回など頻度を減らすことも可能です。
評定者は担当看護師など、患者さんや家族と最もかかわりがある役割の人が行うべきと考えられていますが、理想的には担当看護師だけでなく、チームリーダーなども含めた複数人で評定を行うのが望ましいとされています1)。
実際の評価は、「CNS-FACEⅡ行動評定チェック用紙」を用いて行います。
◆CNS-FACEⅡ行動評定チェック用紙
http://ds26.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~cnsface/user/html/pdf/checksheet.pdf
チェック用紙には合計31の行動評定項目があり、ニードとコーピングでそれぞれカテゴリー分けがされています。具体的には次のとおりです。
【ニードのカテゴリー】
・社会的サポート:項目1~4
・情緒的サポート:項目5~11
・安楽・安寧:項目12~16
・情報:項目17~21
・接近:項目22~26
・保証:項目27~31
・情動的:項目5~11、13、15~16、27、30
・問題志向的:項目1~4、12、14、17~26、28~29、31
31項目について、対象家族の行動を4段階(あてはまらない:1点、少しあてはまる:2点、あてはまる:3点、大変あてはまる:4点)で評価し、何らかの理由で評価できなかった場合は、「評価不可」とします。各カテゴリーの平均値を算出し、数値が高いほど、そのニード・コーピングが高いと判断します。
CNS-FACEⅡを看護に活かす!
CNS-FACEⅡは、患者さんの家族と接する機会が多い看護師が評定者として想定されています。クリティカルケアを受けている患者さんの家族は混乱や不安を抱えている可能性が高く、心理的側面が変化しやすいため、看護師による支援が不可欠です。状況に合わせたスケーリングを行うのとあわせて、継続的な観察・評価を行い、その家族により適した支援につなげられるとよいでしょう。
また、CNS-FACEⅡでの評価は絶対ではなく、相対的な評価によるアセスメントが大切です。適切なアセスメントを行うために、家族と円滑な関係を築くことを心がけましょう。