母性に関する看護計画|大きな問題がなく妊娠が経過している方
- 公開日: 2023/1/14
大きな問題がなく妊娠が経過している方への看護計画
周産期では、妊婦さんが心身共に安定した状態で出産に臨める環境を整えることが大切です。また、妊娠経過に大きな問題を認めない場合でも、妊婦さんが置かれている状況によっては個別支援が必要となる場合があります。妊婦さんとのかかわりを通して抱いた違和感を見極め、必要な支援につなげられるようにしましょう。
観察計画 O-P 妊娠週数に応じた経過をたどっているかを確認し、流産・早産リスクや妊娠合併症などのリスクの有無を確認する。また、妊娠に至るまでの経緯や妊婦さんの気持ちの揺らぎ、パートナーや家族との関係性、生活状況などから得られる気づきが大切にできるような視点を含める。
援助計画 T-P 妊婦さんの心身のケア、そして妊娠の経過や妊婦さんが置かれている状況に応じた支援調整が行えるプランを立案する。また、栄養指導やマタニティビクスなど、妊婦さんの状態に合わせたアクティビティへの参加勧奨も大切。
教育計画 E-P 胎児の成長と共に母体にかかる負担は増大する。妊婦さんとその家族が、妊娠に対する適切な知識をもとにセルフケアができる、または必要なサポートを得ながら周産期を過ごせるように指導していく。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
妊娠経過は順調だが、マイナートラブルや妊娠の継続に関連したトラブルが起こる可能性がある
看護目標
母子の変調が早期に発見され、適切なサポートを受けながら妊娠期を過ごすことができる
観察計画 O-P
バイタルサイン
体重(前回健診時からの増減)
尿検査結果(糖・タンパク)
採血データ(Hb、Ht)
便秘の有無
帯下の有無と性状
腹部の張りの有無
乳房の変化
エコー結果(心拍、胎児の状態、羊水量、胎盤付着位置、出血の有無)
子宮頸管長
胎動の有無と程度
妊婦の表情、身だしなみ、言動、行動
身体の変化に対する受容
睡眠時間
母子健康手帳への記入状況、受診間隔
パートナーや兄弟児の反応や対応
援助計画 T-P
両親学級、マタニティビスク、ウォーキング教室などへの参加勧奨と運営
栄養指導
バースプランの確認と調整
乳房ケアを通した母乳育児準備
出産準備品の紹介
ハイリスク因子発生時の面談
訴えの傾聴
家族間調整
同居家族の風疹抗体検査勧奨
ホームヘルプサービスや兄弟児の一時預かり事業など、必要な社会資源紹介
教育計画 E-P
定期的な運動の必要性について説明する
乳房ケアの必要性について説明する
週数に応じた必要な栄養素や好ましい食事について説明する
産後うつについて説明する
病院に連絡するタイミング(破水、張り、転倒など)を説明する
看護計画を書くときに参考にしたい記事
第2回 無痛分娩の流れ(妊娠中から分娩まで)と助産師・看護師のケア・観察ポイント
第3回 お産の進行と痛み -分娩進行に合わせた産痛緩和-