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【連載】臨床の知識をおさらい!|看護師国家試験を元に基礎知識を解説

病棟でも外来でも扱う輸血製剤、それぞれの特徴とは?

  • 公開日: 2025/12/4

今回の問題

看護師国家試験第112回-午前-一般41
輸血用血液製剤と保存温度の組合せで正しいのはどれか。
1.血小板成分製剤 ── 2〜6℃
2.赤血球成分製剤 ── 2〜6℃
3.血漿成分製剤 ── 20〜24℃
4.全血製剤 ── 20〜24℃

回答

2

問題の解説

 看護師として臨床に出ると多くの人は輸血にかかわるでしょうから、この問題に関する知識は臨床に直結する知識になります。そして、輸血で扱われる製剤はそれぞれ特徴があり、それに応じた最適な保存温度が定められています。

 赤血球成分製剤は2~6℃で保存され、これにより赤血球の機能が維持されます。血小板成分製剤は20~24℃で保存され、これにより血小板の生理的機能が保たれます。また、血小板の凝集を防ぎ、機能を保持するため水平振とう保存が必要となります。血漿成分製剤は新鮮凍結血漿とも呼ばれており、-20℃以下で保存されます。これは製剤が凍結状態になることで凝固因子の変化を防ぐためであり、投与する直前に解凍されます。全血製剤は2~6℃で保存されます。赤血球と血漿の同時に補充する場合に使用されますが、現在は必要な成分だけを輸血するようになっていることからほとんど使用されていません。

 以上より、回答は2となります。

輸血製剤の特徴についておさらい

 輸血は急性期から慢性期、病棟や外来などさまざまな時期、領域で扱われるため、看護師にとって輸血の関する知識は大切でしょう。そのため、この問題に関する知識は看護師国家試験のみならず、そのまま臨床で活かすことのできる知識でしょう。

 赤血球製剤は2~6℃で保存されます。赤血球を補充することで、その中に含まれるヘモグロビンが増えることで酸素運搬能の改善が期待されます。採血後28日間が有効期間です。血小板製剤は20~24℃で保存され、水平振とう保存です。血小板を補充することで出血傾向の改善が期待されます。有効期間は採血後4日間です。血漿成分製剤(新鮮凍結血漿)は-20℃以下で保存され、凝固因子の補充に用います。各種の凝固因子が含まれる製剤のため出血傾向の改善が期待されます。有効期間は採血後1年間です。また、解凍後の再凍結は禁止されています。全血製剤は2~6℃で保存し、大量出血などの全ての成分が不足する状態の際に使用されていましたが、現在では必要な成分だけを輸血することが主流となったためほとんど使われていません。 これらの知識に加えて輸血実施時には製剤の外観、交差適合試験の確認、適切な輸血セットの使用、副作用の観察が重要です。

輸液製剤の特徴

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