肺がんで放射線療法を実施している患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/3/25
肺がんに対する放射線療法で皮膚障害が起こる可能性がある患者さんの看護計画
肺がんとは肺に発生じる原発性と、他の臓器から肺に転移して発生する転移性があります。進行度や転移の状況など総合的に判断して手術療法、化学療法、放射線療法が単独あるいは組み合わせて選択されます。今回は放射線療法が導入され皮膚障害が起こる可能性がある患者さんに対する看護計画を立案してみました。
観察計画 O-P 肺がんの治療状況を確認する。放射線治療は根治的治療、緩和的治療、予防的治療があり、どの目的で実施しているのかを把握しておく。照射される範囲の確認と照射に伴う副作用についても確認する。肺がんの随伴症状も含めて観察していく。
援助計画 T-P 皮膚障害の発症を防ぐために皮膚を清潔に保ち、保湿をしっかりと行う。現在の症状に合わせて患者さんの過ごしやすい環境を整える。
教育計画 E-P 放射線療法や副作用について説明する。不安なことがあれば、いつでも話してくれるように伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
放射線療法に伴う皮膚障害が起こる可能性がある
看護目標
皮膚障害が起こらず患者が安楽に放射線療法を受けられる
観察計画 O-P
肺がんの治療状況
放射線療法の進捗状況
照射部位の皮膚の状況
現在の病状に関する理解、認識
呼吸状態(呼吸回数、呼吸様式、補助呼吸筋の使用など)
随伴症状の有無、程度
日中の活動状況
食事や飲水の摂取状況
睡眠状況
検査データ(Alb、TP、WBC、血液ガスなど)
画像データ(胸部XP、CTなど)
援助計画 T-P
皮膚の状態に合わせた清潔ケアを検討する
皮膚の保湿を保つ
患者が安楽に過ごせるように環境を整える
医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
放射線療法と皮膚障害の関係を説明する
患者や家族が現状を理解できるように適宜説明を行う
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
看護計画を書くときに参考にしたい記事
①放射線皮膚炎の予防の考え方【PR】
②放射線皮膚炎予防ケア・発症後の実際【PR】
第1回 がん治療によって起こる皮膚障害とは【PR】