
第一三共ヘルスケア株式会社
記事数:46
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保護の基本 化学的刺激からの保護 皮膚への化学的刺激になりうるものには、排泄物、ドレーンや気管瘻の周囲などがありますが、やはりおむつ内の排泄物による刺激が、日常的に誰もが直面する問題だと思います。 排泄物はアルカリ性です。その刺激から皮膚を守るためには、撥水保護
保湿の基本 保湿の目的 保湿の目的は、皮膚のバリア機能を保つことです。また、壊れたバリア機能を修復するはたらきも担っています。どんなにやさしく洗浄しても、汚れとともに皮膚表面の皮脂膜も取れてしまうので、洗浄後には必ずしっかりと保湿をします。さらに、洗浄後だけでなく、乾燥
洗浄の基本 洗浄の目的 洗浄の目的は、皮膚表面に付いた汚れを取り除き、皮膚を清潔に保つことです。いらない汚れは取りつつも、残さなければいけない皮脂膜を保護することが大切です。皮膚は必ず汚れますので、洗浄は皮膚のターンオーバーにとっても、皮膚の健康にとっても重要だと思いま
スキンケアの基本と必要性 皮膚の構造を知ろう 皮膚は体表から順に「表皮層」、「真皮層」、「皮下組織層」で構成されています(図1)。 図1 皮膚の構造 表皮層は体表から順に角質層、顆粒層、有棘層、基底層に分かれています。最表面にある表皮層は、水分の蒸
ナース専科の読者から寄せられたがん患者さんのアピアランスケアに関する質問に回答していきます。 Q1 髪質や肌質、爪の変化は戻らないこともあるため、どのようにアドバイスしたらよいかわかりません。どのように伝えるとよいでしょうか? 変化した症状を元通りに戻すケア方法は残
脱毛の機序 がん治療に伴う脱毛は、薬物療法による全身性の脱毛と放射線治療による照射部位の局所的な脱毛があります。抗がん剤などの薬物療法による脱毛は、毛周期における成長期にある毛髪が抜ける成長期脱毛の1つです。 毛根には毛母細胞という高い活動性の細胞があり、毛母
がん治療に伴う外見の変化 がんの三大治療である手術、放射線治療、薬物療法のいずれも、外見に変化が起こります。手術や放射線治療ではその治療部位に限局していますが、薬物療法では多様な変化が、さまざまな部位に生じます(表)。 表 がん治療に伴う主な外見の変化 div.c
がん治療の進歩や通院治療環境の整備により、生存率の上昇とともに、仕事をもちながら通院している患者さんも増えています。しかし、社会と接触しながら治療生活を送ることは、がん治療に伴う外見の変化を患者さんにより意識させる結果となっています。 分子標的治療薬のように、皮膚障害の
在宅療養者によくみられるスキントラブルとケア 在宅で療養している人の70%以上が、なんらかのスキントラブルを抱えているという報告があります1)。内訳をみると真菌感染症、湿疹や皮膚炎、IAD(失禁関連皮膚炎)が多く、そのほかにドライスキン、皮膚の浸軟、スキン-テ
がん患者さんへのスキンケアの基本 がん患者さんへのスキンケアで抑えておきたいポイント がん治療での薬物治療や放射線治療には、高率に皮膚障害が生じるケースがあります。皮膚障害の発症メカニズムを理解することによって、メカニズムに基づいた皮膚障害の予防、悪化防
ADL全介助の透析患者さん。微力な外力でも皮下出血→スキン-テア→感染を繰り返しています。保湿、上下肢の保護、トランスの工夫をしましたが、なかなか改善しませんでした。何かよい方法があれば教えてください。 透析患者さんはリスクが高いことを認識し、保護ができる環
臀部の排泄物による汚染を防ぐために、ワセリンを塗布していますが、浸軟してしまう際の対策があれば教えてください。 ワセリンは薄く油膜を張るイメージで使用します。必要に応じて保護剤の情報も提供します。 過剰にならないよう量に気をつける ワセリンは安価で入手
寝たきりの患者さんで、仙骨に大きな褥瘡(ポケットあり)があり、毎日洗浄し軟膏を塗布しておむつで保護していました。一時はよくなっていましたが、少しの圧で容易に大きくなってしまうという状態でした。在宅で行えるスキンケアの方法や除圧の工夫などがあれば教えてくた
清潔保持ケアへの拒否が強い人に対する、短時間でできる効果的なケア方法はありますか。また、白い粉がふく皮膚に対する清潔・保湿ケア方法を教えてください。 清潔ケアの目的を患者さんに説明し、その必要性を理解したうえでケアを受けられるようにします。日々の清潔ケアにプラス
比較的軽症の皮膚障害がみられる 免疫チェックポイント阻害薬による皮膚障害は、高頻度で、比較的軽症のものが多い傾向があります。よくみられるのは播種状紅斑丘疹型、尋常性乾癬、扁平苔癬で、重症のものには多型紅斑や水疱性類天疱瘡があります(表)。これらの皮膚障害は、免疫反応が過剰