心室細動(Vf)|心電図でみる波形・特徴とは?
- 公開日: 2015/3/3
心室細動(Vf)の心電図の特徴と主な症状・治療などについて解説します。
心臓のポンプとしての機能が完全に失われている状態で、この波形を発見したら緊急対応が必要になります。
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心電図でみる心室細動(Vf)の特徴
P波、QRS波、T波がなく、全く不規則に基線がゆれる(心室の無秩序な興奮)
心室細動(Vf)の特徴についてまとめました。
どんな不整脈?
心室筋が無秩序に電気的興奮を発生させ、収縮期・拡張期とも存在しなくなり、心拍出量がなくなり、心停止の状態。治療しなければ数分で死に至ります。特に基礎疾患に心疾患やQT延長症候群、QT短縮症候群、ブルガダ症候群をもつ場合には、心室細動を引き起こしやすいので注意します。
急性心筋梗塞では主要な死因だといわれ、心電図では、R on T型心室期外収縮からの心室細動への移行がよくみられます。
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◆心室粗動とは
心室粗動とは、心室細動と同じく心室内で電気的興奮が連続して発生しますが、規則的な大きな波形を描くのが特徴です。心室細動と同じ、心停止の状態であり、最近では心室細動に含まれることが多くなっています。
◆急性心筋梗塞時は特に注意!
急性心筋梗塞時では、単発性の心室期外収縮でも心室細動に移行することがあり注意を要します。
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どんな危険が?
治療をしなければ死に至る
主な症状
1. 意識消失
2. 呼吸停止
主な原因
1. 心疾患
2. QT延長症候群
3. QT短縮症候群
4. ブルガダ症候群
5. 電解質異常
6. 外傷による僧帽弁乳頭筋の障害
主な治療
1. 発作時には電気的除細動、無効であればCPRと電気的除細動の繰り返し
2. 心不全における突然死予防のためのCRT-D
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【心電図クイズ】
<練習問題編⑩>心電図を判読してみよう
(『ナース専科マガジン』2010年1月号から改変利用)