脳腫瘍により頭蓋内圧亢進の症状がみられる患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/10/9
脳腫瘍により頭蓋内圧亢進の症状がみられる患者さんに関する看護計画
脳腫瘍とは頭蓋骨の中にできる腫瘍であり、原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍の2つに大別され、脳の各部位からさまざまな種類の腫瘍が発生します。脳腫瘍の増大、周囲の細胞の浮腫性変化などによって頭蓋内圧が亢進して症状が見られる可能性があります。今回は脳腫瘍によって頭蓋内圧が亢進して症状が生じている患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 頭蓋内圧亢進症状は、急性と慢性の場合で特徴的な症状が異なる。急性では、主なものとしてクッシング現象、慢性の場合は、嘔吐や頭痛、うっ血乳頭が3徴候として挙げられる。これらに関連した症状を確認する。その他、日常生活にどの程度影響が出ているかを確認する。
援助計画 T-P 継続的に意識レベルの評価やその他の症状がないかを観察する。臥床傾向になりやすいことから状態に応じて適宜離床を検討する。療養環境を整える。
教育計画 E-P 頭蓋内圧や頭蓋内圧症状について適宜、説明する。不安なことがあれば、いつでも話してくれるよう伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
脳腫瘍による頭蓋内圧亢進によって症状がある
看護目標
神経症状が増悪せず過ごすことができる
観察計画 O-P
原疾患の治療状況
意識レベルの推移
神経症状の確認
瞳孔所見の推移
随伴症状(倦怠感、食指不振、悪心など)の有無、程度
日中の離床状況、活動状況
睡眠状況、夜間の状況
排泄状況(排便や排尿の回数、性状など)
検査データ(TP、Alb、WBC、CRPなど)
画像データ(頭部CT、MRIなど)
援助計画 T-P
意識レベルの評価を継続的に行う
神経症状の推移を継続的に観察する
適宜、リハビリや離床について検討する
医師の指示に基づく薬剤を使用する
教育計画 E-P
必要に応じて頭蓋内圧について必要性を説明する
頭蓋内圧亢進症状について説明する
疑問・不安がある場合はすぐに伝えてもらうように説明する
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