1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 採血
  5. 採血スピッツ(採血管)の種類・順番・量~血液が足りなくなりそう!どうする?

【連載】採血・注射・輸液の困難ケースを攻略!

採血スピッツ(採血管)の種類・順番・量~血液が足りなくなりそう!どうする?

  • 公開日: 2015/2/23

多くの看護師が苦手な「針モノ」の手技。今回は主なスピッツの内容と必要量を紹介します。


【関連記事】
* 点滴と同じ腕(末梢から)の採血はOK? NG?
* 血管が見えない患者さんと硬い患者さんの穿刺のコツ
* 【採血】内出血した患者さんに言ってはいけないNGワード


攻略法1 検査に必要な血液量を把握する

血液が不足しないように複数のスピッツに入れるためには、

    ・検査項目と各スピッツの必要量を事前に把握すること
    ・患者さんごとに必要な検査の優先順位を理解しておくこと

が大切です。

特に、抗凝固剤入りスピッツは、血液と抗凝固剤との比率が決まっているため、必要量のラインまで必ず血液を満たして適量を厳守しましょう。

また、必要量が決まっているスピッツを後回しにすると、血液が不足して検査できなくなることがあるので注意しましょう。

その他、主なスピッツの内容と必要量は下表の通りです。

表1 主な採血管の必要量

採血管種類
採血量
血清分離用採血管(生化学)
3~5mL
抗凝固剤(クエン酸Na)入り採血管(凝固)
1.8mL
抗凝固剤(EDTA)入り採血管(血算)
2mL
抗凝固剤(フッ化Na)入り採血管(血糖)
2mL

表2 主な採血管の検査内容

採血管種類
検査内
血清分離用採血管(生化学)
酵素検査・電解質検査・脂質検査などで使用し、すべての診断の判断基準になるので、どのような場合でも採血します。
入院時の必須検査でもある感染症もここから調べます。
抗凝固剤(クエン酸Na)入り採血管(凝固)
凝固検査は、血を固める働きの低下が疑われる、抗凝固剤の内服、手術が想定される、DIC(播種性血管内凝固症候群)のリスクが高い重症の場合などで調べます。
抗凝固剤(EDTA)入り採血管(血算)
血液一般検査や血球算定検査に使われます。
だいたいどんなときでも採血します。
抗凝固剤(フッ化Na)入り採血管(血糖)
意識障害ではまず低血糖発作の除外が必要であるため、血糖値を調べます。

攻略法2 スピッツに入れる順番を覚えておく

この記事を読んでいる人におすすめ

採血|コツ、手順・方法、採血後の注意点(内出血、しびれ等)

採血とは  採血には、シリンジで血液を採取した後に分注する方法と、針を刺した状態で真空採血管を使用する方法の2種類があります。 採血の準備と手順(シリンジ・真空採血管) 採血時に準備する物品 基本的な物品 指示箋 アルコール綿 携帯用針捨て容器 駆血帯

2014/12/17

点滴と同じ腕(末梢から)の採血はOK? NG?

Q.点滴より末梢側で採血をすれば、検査数値に問題はないと思うのですが実際はどうなのでしょうか。 A.適切な位置で駆血し、点滴の刺入部から15cm離れた末梢側からの採血による血液データは、点滴の影響を受けない 点滴をしていない側の上肢から採血できないケースもある

2018/6/6

【採血はどこから?】右はギブス固定中、左は点滴中の患者さん

元看護師のメディカルライターが、看護の素朴なギモンに答えます。 今回の素朴なギモンは、「右上肢はギブス固定中、左上肢は点滴中の患者さんの場合、どこから採血をすべきでしょうか?」です。 今回の素朴なギモン 右上肢はギブス固定中、左上肢は点滴中の患者

2014/10/30

【採血】血管を浮き出させる方法(3つのテクニック)

多くの看護師が苦手な「針モノ」の手技。今回は血管を浮き立たせるテクニックを紹介します。 テクニック1 穿刺部位を低くしてうっ血状態にする 駆血帯を巻いても血管が浮き出てこないときは、一度、駆血帯を外し、穿刺部位を心臓より低くしてうっ血状態をつくった後、駆血帯を締

2014/6/1

覚えた? 急変時の採血スピッツ5種類(血算・生化学・凝固・血液型・血糖)

急変時に、医師から「採血して!」と一言で指示を受けた場合。 「どのスピッツを準備すればよいのか」「医師は一体何を調べたいのか」と迷ってしまうことがあります。医師はどんな基準で考え、指示を出しているのかを解説します。 【関連記事】 ● 【採血・注射】血管が逃げる・動

2014/3/5

カテゴリの新着記事

動脈血採血の看護|目的、部位、手順、検体の取り扱い、看護の注意点

動脈血採血とは  動脈血採血とは、経皮的に橈骨動脈や大腿動脈等を穿刺して、動脈血を採取することをいいます。動脈血採血は基本的に医師が行う手技であり看護師は行ってはいけない行為と思っているかもしれません。しかし、看護師は医師の指示のもと診療の補助として動脈血採血は実施可能であ

2023/12/9