これだけ覚える! 術後ドレーン管理(排液)のアセスメント
- 公開日: 2015/12/17
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術後ドレナージの目的
1.開胸したことで虚脱した肺を再膨張させるため
2.術後に胸腔内に貯留する血液や浸出液を体外に排出するため
3.出血・縫合不全・感染など外部から観察できない胸腔内の情報を排液から観察するため
ドレーンチューブの留置位置
※右上葉切除術後の場合
アセスメントのポイント 排液をみる
術直後の排液は血性から淡血性になります。また、術中の洗浄液が含まれているため、排液量は多めです。
術後3日目までは、術直後とほとんど同じ性状か、あるいは少し淡い色調になります。経過が順調であれば、それ以降の色調は淡血性から淡々血性、さらに淡黄色の透明・漿液性になっていきます(下図)。
図 正常な排液の色の変化
術直後、持続的に1時間あたり200mL以上の血性排液がみられる場合には、術後出血を予測し、再開胸・止血術が検討されます。逆に、排液量が急に減少している場合には、ドレーンが閉塞していないかを確認する必要があります。
こんなときは異常!
血性の排液が続く 排液に新鮮血が混じった
⇒縫合不全などによる胸腔内での再出血(出血量に注意)
排液が混濁した
⇒感染による膿胸
乳び液の貯留(乳び胸)
ドレーン抜去のタイミング
排液が減少し、1日あたり200mL以下になってきたら、抜去を考えます。
色・性状としては、淡血性から漿液性になることが目安です。膿が混濁していた場合にも、点滴による抗菌薬の投与などで、排液がきれいな漿液性になればドレーンを抜去できます。
(『ナース専科マガジン』2013年4月号から改変利用)
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