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【連載】循環器科で必要な看護技術を学ぼう!

心臓カテーテル検査の看護|手順・合併症ケア・観察項目

  • 公開日: 2020/5/8


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連載「循環器科で必要な看護技術を学ぼう!」

心臓カテーテル検査とは

 直径1mm程度の細く柔らかい管を、血管内から大動脈や心臓内に挿入して行う検査です。穿刺する場所は大腿の付け根、手首、腕、頸部などがあります。

心臓カテーテル検査の目的

 冠動脈の狭窄程度、弁膜症の逆流や心臓の動きの確認、心臓内圧の評価、心臓の組織採取などを行い、今後の治療方針を決定するために行います。

心臓カテーテル検査の適応

 心不全、弁膜症、先天性心疾患(心房中隔欠損症、心室中隔欠損症など)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)が疑われる患者さんが適応となります。

心臓カテーテル検査の種類

 検査内容は血行動態検査と心血管造影検査に分けられ、方法として、右心カテーテル検査と左心カテーテル検査があります(表1)。

右心カテーテル検査

 右心カテーテル検査は静脈に穿刺を行い、右心系を評価する検査です。血行動態は上大静脈、下大静脈、右心房、右心室、肺静脈の心内圧、三尖弁、肺動脈弁の逆流の評価を行います。心血管造影では、肺静脈の狭窄程度を造影剤の使用により評価できます。

左心カテーテル検査

 左心カテーテル検査は動脈に穿刺を行い、左心系を評価する検査です。血行動態は大動脈、左心室、左心房の心内圧、僧帽弁、大動脈弁の逆流の評価を行います。心血管造影では冠動脈の狭窄、大動脈、左心室を造影剤の使用により評価できます。また、心臓の一部を採取し、心筋の組織の評価することも可能です。

表1 右心カテーテル検査と左心カテーテル検査の内容

右心カテーテル検査左心カテーテル検査
血管動態検査●心内圧検査(下大静脈、上大静脈、右室圧、右房圧、肺動脈圧、肺動脈、肺動脈楔入圧)
●心拍出量測定
●各部位の血液ガス、酸素飽和度
●心内圧検査(大動脈圧、左室圧、左房圧)
●心拍出量の測定
心血管造影検査●肺動脈造影●冠動脈造影
●大動脈造影
●左室造影
●冠動脈バイパス造影
その他●生検
●電理生理検査
●生検
●電理生理検査

心臓カテーテル検査の手順

必要物品の例(図)

●マキシマルバリアプリコーション*1:滅菌ガウン、マスク、キャップ、滅菌手袋
●術野の確保:滅菌ドレープ
●消毒:消毒剤(ポピドンヨード液など)、滅菌綿球
●局所麻酔:注射器、23Gカテラン針、1%リドカイン注射液
●検査用:カテーテル(右心:スワンガンツカテーテル、左心:ピッグテールカテーテル)、シースイントロデューサー*2

*1 感染予防のため、キャップ、マスク、滅菌ガウン、滅菌手袋、大型滅菌全身用ドレープを用いて無菌操作で施行すること
*2 カテーテルなどデバイスの挿入・交換をしやすくするために、血管内に留置される管のこと。略して「シース」と呼ばれる

図 必要物品の例

心臓カテーテル検査の必要物品

検査手順(入室~穿刺まで) ※ここでは冠動脈造影検査の手順を示します。

心臓カテーテル検査の手順

心臓カテーテル検査の主な合併症とケア

 心臓カテーテル検査は侵襲を伴う検査のため、合併症のリスクがあります(表2)。

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