急性腎障害(急性腎不全)の患者さんへの看護計画
- 公開日: 2023/9/28
急性腎障害の患者さんに関する看護計画
腎臓は生きていく上で作られる老廃物を排泄したり、水や電解質、酸・塩基平衡の維持、調整をしたり、身体のバランスを整える機能のある臓器です。何らかの要因で腎臓の機能が障害されると身体のバランスが崩れてしまうため、今回は急性腎障害が生じてしまった患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 急性腎障害は治療を行わないと数時間〜数日で急激に腎機能が低下する。急激に変化することが想定できるため、患者さんの状態を把握することが大切となる。症状としては、浮腫や尿量の低下、全身倦怠感、胸水の貯留、高カリウム血症などが挙げられる。
援助計画 T-P 症状の軽減と急性腎障害の原因となる疾患の治療がスムーズにいくようケアを行う。状態の変化があれば、医師へ連絡する。透析が必要となった際には、その準備を行う。
教育計画 E-P 原疾患と急性腎障害について説明する。透析が必要な場合は、透析についても伝える。症状がつらい、疾患に関する説明がわからないなど、何かあれば話してもらえるような環境を作る。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
急性腎障害に症状で生活に支障をきたしている
看護目標
症状が改善してQOLが向上する
観察計画 O-P
浮腫の有無、部位、程度
尿量の推移
胸水の有無、程度
電解質異常に応じた症状の有無、程度
倦怠感の有無、程度
食事や水分摂取量
排泄状況
In-Outバランス、体重の推移
心電図変化の有無
検査データ(BUN、Cr、蛋白尿、電解質など)
画像データ(レントゲン、CT、エコーなど)
援助計画 T-P
新たな症状の出現や心電図の変化など早期発見に努める
適宜、水分摂取量や塩分摂取量を把握する
ADLに合わせた清潔の保持方法を検討する
浮腫のケアを行う
医師の指示に基づく薬剤の使用
教育計画 E-P
水分や塩分の摂取、In-Outバランスや体重の推移と疾患の関係について説明する
タンパク質の制限をする必要性を説明する
必要に応じて透析に関する情報を提供する
何かわからないことがあればスタッフに伝えてもらうように説明する
看護記事を書くときに参考にしたい記事
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