食欲不振のある患者さんへの看護計画
- 公開日: 2023/5/28
食欲不振のある患者さんの看護計画
食欲不振とは食べ物を摂取したいという欲求が低下あるいは消失した状態であり、全身性の疾患や消化器疾患だけでなく、心理・精神的な問題、社会的な問題、薬剤の問題などさまざまな要因が関連して生じます。
今回は入院による環境の変化で食欲不振が生じた高齢者の患者さんに対して看護計画を立案しました。
観察計画 O-P どの程度食べられていないのか、食べられていないことが栄養状態にどの程度影響があるかを検査値などから把握する。その他、全身状態についても確認しておく。食事の摂取量低下とともに水分摂取量も落ちているようであれば、脱水にも気をつける必要がある。
援助計画 T-P 食事がとれるよう環境を整える。可能な範囲で日中の活動量を増やすなど、働きかける。
教育計画 E-P 食事をとることの必要性を説明する。必要があれば管理栄養士に食事の内容について相談できることを伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
入院による環境の変化で食欲不振が生じている
看護目標
自分なりに食事が摂取できるようになる
観察計画 O-P
食欲不振の程度
随伴症状の有無、程度(嘔気、腹部膨満感、倦怠感など)
体重の推移
口腔内の状態
嚥下機能、義歯の状態
食事や飲水摂取状況
食事形態
ADLや日中の活動状況
睡眠状況
排泄状況(便秘、下痢など)
薬剤の使用状況
検査データ(TP、Alb、電解質、炎症反応など)
画像データ(レントゲン、CTなど)
援助計画 T-P
食事摂取の環境を整える
適宜、口腔内の環境が食事摂取に適しているか検討する
食事摂取が促進されるような食事形態や補助具の使用を検討する
離床を促したり、日中の活動量が増えるような介入を検討する
医師の指示に基づく薬剤の使用
教育計画 E-P
食事を摂取する必要性を説明する
適宜、管理栄養士などスタッフへ食事に関する相談ができることを説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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