透析を導入することになった患者さんへの看護計画
- 公開日: 2023/5/29
透析を嫌がる患者さんへの看護計画
透析には血液透析と腹膜透析があり、どちらも腎臓が余分な水分や老廃物を除去できなくなった代わりに働いてくれるものです。透析が導入されると腎移植を行わない限りは一生続き、やめることが死に直結する治療なので、患者さんによってはスムーズに受容が進まないことが考えられます。今回は、透析の導入に対して嫌がる患者さんに対して看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 透析や疾患に関する知識について確認する。患者の現在の状態も把握しておく。血液透析となった場合に週に数回通うことができるのかといったことも確認しておく。腹膜透析の場合は、自己管理や患者自身が行えない場合は家族のサポートが必要となるため、可能かどうかも確認する。
援助計画 T-P 血液透析を始めると週に何回かは透析を受けに通うことになるため、日常生活にどう組み込んでいくかを一緒に考える。透析導入後の食生活についても考えることが必要となる。
教育計画 E-P 透析導入にあたって、血液透析と腹膜透析のメリット・デメリットをしっかりと伝える。その他、透析導入後の食生活などを含む日常生活についての必要な知識を伝える。受容できていない様子があれば、話を聞くなどしながら、疑問点や不安を解消できるように働きかける。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
透析の導入に対して受け入れが進まない
看護目標
透析が導入され自分らしく生活することができる
観察計画 O-P
透析の導入に対する思い、考え
透析に関する知識、理解
疾患に対する知識、理解
自覚症状の有無、程度
身体の変化に対する認識、理解
自己管理能力の程度
家族のサポート状況
食事や飲水摂取状況
睡眠状況
検査データ(BUN、Cr、eGFRなど)
画像データ(胸部レントゲン、CTなど)
援助計画 T-P
ADLや腎機能を踏まえて今後の生活習慣の検討する
透析の導入を見据えた日常生活の確立を支援する
必要に応じて、社会資源に関する情報を提供する
医師の指示に基づく薬剤の使用
教育計画 E-P
疾患と透析の関係について説明する
腎臓に負担の掛からない生活を適宜説明する
血液透析や腹膜透析のメリット、デメリットを必要に応じて説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
看護計画を書くときに参考にしたい記事
透析の看護|血液透析と腹膜透析、導入基準、観察項目、看護計画
第11回 透析はどんな仕組みで何を除去しているの?—血液透析(HD)・腹膜透析(CAPD)・血液濾過透析(HDF)
第12回 透析はどんな手順で導入するの?(シャント形成~)
【CKD指導】透析を嫌がる患者さん
透析時、シャントで刺してよいのはどこからどこまで?
透析時、同じ部位に何度も穿刺するとシャントが閉塞するといわれたけど、本当?
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