慢性疼痛のある患者さんへの看護計画|がんによる痛み
- 公開日: 2023/6/25
がんによる慢性疼痛が生じている患者さんに関する看護計画
痛みとは「組織損傷が実際に起こったとき、あるいは起きそうなときに付随する不快な感覚および情動体験、あるいはそれに似た不快な感覚および情動体験」と国際疼痛学会が定義しています。がんによる身体的要素だけでなく精神的、心理的な要素などさまざまな要因で痛みを感じることが考えられます。そのため、今回はがんによる慢性疼痛が生じている患者さんに対する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 疾患の状態を確認する。痛みがどの程度あるのか、朝と夜など特に痛みが強くなる時間帯があるか、現在使用している鎮痛剤の効果を把握する。痛みが日常生活へどの程度影響を与えているかなどを確認する。
援助計画 T-P 鎮痛が図れていないようであれば、医師に鎮痛剤の使用について相談する。そのほか、薬剤以外での痛みを緩和できるようなケアを実施する。
教育計画 E-P 薬剤についてしっかりと説明するとともに、痛みがあれば我慢しないでよいこと、鎮痛できていない場合は看護師に伝えてもらうようにする。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
疼痛のコントロールが不十分である
看護目標
疼痛がコントロールされQOLが向上する
観察計画 O-P
原疾患の治療状況
治療に対する認識、理解
疼痛の有無、程度
疼痛が発生する時期、頻度
薬剤の効果、持続時間
疼痛や薬剤に対する認識、理解
倦怠感の有無、程度
食事摂取状況
排泄状況(下痢、便秘の有無、程度など)
睡眠状況
検査データ(Alb、CRPなど)
画像データ(レントゲン、CTなど)
援助計画 T-P
医師の指示に基づく薬剤を使用する
適宜、患者と相談して非薬物療法の実践を検討する
疼痛に合わせた療養環境を整える
必要に応じて安楽な姿勢を整える
ADLやセルフケアに応じて援助を行う
教育計画 E-P
苦痛を我慢せず伝えてもらうように説明する
麻薬やオピオイドについて誤解がないように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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