がん性疼痛のある患者さんへの看護計画|大腸がんの患者さん
- 公開日: 2023/1/28
大腸がんによるがん性疼痛がある患者さんへの看護計画
大腸がんとは大腸の粘膜細胞から発生するがんです。腸管壁へ浸潤、リンパ性や血行性に転移することで様々な場所にがんが発生すると切除不能となる可能性があり、化学療法や放射線療法が選択されます。そしてがんやその治療に伴う症状の一つに疼痛があるため看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんが感じている疼痛について情報収集を行う。具体的には疼痛の程度、痛みの部位や範囲、痛みの発生時期などを確認する。薬剤の効果がどの程度あるのかとオピオイド鎮痛薬を使用している場合は、副作用として便秘、嘔気・嘔吐、眠気などがあるのかどうかも把握する。また、全身状態とがんについても情報収集をしておく。
援助計画 T-P 患者さんの疼痛が少しでも和らぐように環境を整える。薬剤は医師の指示に従い、副作用がないかを確認する。その他にも、疼痛を緩和できるケアを実施する。
教育計画 E-P 疼痛コントロールを的確に行えるようにするためにも、痛みは我慢せずに伝えてもらうように説明する。疼痛緩和に用いる薬剤、特に麻薬については誤解されやすいため、しっかりと説明する。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
がん性疼痛のコントロールが不十分である
看護目標
がん性疼痛のコントロールによりQOLが向上する
観察計画 O-P
疼痛の有無、程度
疼痛が発生する時期、頻度
薬剤の効果、持続時間
疼痛や薬剤に対する認識、理解
現在のADL
倦怠感の有無、程度
原疾患の治療状況
治療に対する認識、理解
食事摂取状況
排泄状況(下痢、便秘の有無、程度など)
睡眠状況
検査データ(Alb、TP、ビリルビンなど)
画像データ(腹部エコー、腹部レントゲン、腹部CT)
援助計画 T-P
疼痛に合わせた療養環境を整える
必要に応じて安楽な姿勢を整える
ADLやセルフケアに応じて援助を行う
医師の指示に基づく薬剤を使用する
患者と相談して非薬物療法の実践を検討する
教育計画 E-P
苦痛を我慢せず伝えてもらうように説明する
麻薬やオピオイドについて誤解がないように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
看護計画を書くときに参考にしたい記事
がんの疼痛緩和・疼痛コントロール|疼痛の分類、評価・アセスメント、薬物療法、ケア、看護計画
事例1:疼痛への緩和ケア
医療用麻薬の管理|取り扱いの注意点、記録の書き方、トラブル発生時の対処
足浴に関する看護計画|がん性疼痛で入浴できない患者さん