HOT患者さんの酸素のウィーニング[成功したCASE]
- 公開日: 2018/5/16
酸素の上げ下げを考えるとき、患者さんが低酸素状態になっているかどうかを見極めなければなりません。
ここでは成功事例から見極め方を解説します。
事例紹介
70代女性 高血圧 僧房弁閉鎖不全 慢性心不全
●入院に至る経過
5年前より在宅酸素療法(HOT)を導入し、自宅では酸素2.5ℓ/分を吸入している。1週間前より咳嗽・息切れが出現、また3日前より発熱が持続し症状が改善しないため外来を受診。胸部画像所見で浸潤影を認め肺炎の治療目的で入院となった。
●入院時の状態
[バイタルサイン]体温37.5℃、呼吸数28回/分、酸素3ℓ鼻カニューラでSpO2 90%
患者さんの状態と酸素療法
抗生剤投与や酸素療法(入院時5ℓ/分マスク)により、症状が改善され酸素化も良好となりました。主治医からは「SpO2が96%以上になったら酸素を減量」という指示が出ていました。入院4日目、ベッド上酸素3L/分鼻カニューラでSpO2 98%、患者さんに呼吸苦はみられませんでした。同日の夕方16時、受け持ちの新人看護師からリーダーナースへ次のような申し送りがありました。「10時の検温時にSpO2が98%だったので酸素を3Lから2Lにしました。午後の再検時でもSpO2は低下していなかったので14時に2Lから1Lにしました。1時間後様子を見に行くと、患者さんが酸素カニューラを外していたので慌ててSpO2を測ったのですが、室内気下でも96%キープできていたのでそのまま酸素をoffしました」
この場合、HOT導入患者さんの酸素をoffにしていいのでしょうか。