家族の不安に対する看護計画|脳梗塞により麻痺がある患者さんの家族
- 公開日: 2023/4/29
脳梗塞の麻痺による退院後の家族の不安に関する看護計画
脳梗塞は何らかの原因で脳の血管が狭窄・閉塞して虚血が起こり、その血管が支配する領域の脳組織が壊死した状態です。今回は脳梗塞によって麻痺が生じており、退院後の生活に関して家族が不安を抱えていることに対して看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんの現在の状態(麻痺の程度やどの程度日常生活が行えるのか)を把握する。患者さんが日常生活をおくるうえで、どのような支援が必要なのかを確認する。家族の疾患に関する知識や現状をどう受け止めているのかといったことも聞く。介助が必要となる場合は、家族の介護力も確認する。
援助計画 T-P 患者さんの状態に合わせて日常生活がおくれるように環境を整える。日常生活では、援助をしすぎず、自分でできることは自分で行ってもらうように働きかける。リハビリに関しても継続して受けられるようにする。患者さんも家族も不安があれば、それを話すことができるような環境を整える。
教育計画 E-P リハビリの必要性をしっかりと説明する。患者さんだけでなく家族にも不安なことがあればいつでも話してもらえるように伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
麻痺によって退院後の生活に関して家族は不安がある
看護目標
家族の不安が軽減して退院後も生活することができる
観察計画 O-P
現在のADLや日常生活の状況
家族の疾患に対する認識、理解
家族の心理状態、協力状況
患者の疾患に対する家族の認識
患者の状態に対する家族の認識
自覚症状の有無、程度、認識
薬の管理状況(患者自身あるいは家族)
食事摂取状況
排泄状況
睡眠状況
検査データ(Alb、TP、血小板、凝固能など)
画像データ(頭部MRI、CTなど)
援助計画 T-P
ADLやセルフケア能力に応じて療養環境を整える
ADLやセルフケア能力を踏まえて今後の生活習慣の改善を促す
障害の程度に応じてリハビリテーションを行う
自力で行える範囲は患者自身で実施してもらえるように環境を整える
患者が自身でリハビリテーションが行えるように環境を整える
患者や家族の不安や疑問などの思いを表出できる環境を整える
必要に応じて、家族の協力体制が整うように支援する
教育計画 E-P
リハビリテーションの必要性を説明する
つらい気持ちは我慢せず伝えてもらうように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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