排痰ケアに関する看護計画|排痰困難が生じている患者さん
- 公開日: 2023/6/30
呼吸機能低下による排痰困難がある患者さんに関する看護計画
慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎などの呼吸器疾患によって呼吸機能が低下することで排痰が困難になる可能性があります。その他に、高齢や長期臥床に伴う筋力低下、術後の疼痛によっても排痰が困難になる可能性があります。今回は呼吸機能の低下によって痰の喀出が困難な患者さん対する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんの呼吸状態や痰の性状、量を確認する。水分量が不足すると痰が固くなり喀出しづらくなるため、食事や水分の摂取量、In-Outバランスなども確認しておく。
援助計画 T-P 痰が固くなると喀出しづらくなるため、口腔や気道も含めて保湿に努める。肺の拡張や横隔膜の動きを促すことに繋がり、呼吸機能の低下を防ぐ効果を期待して早期離床を促す。
教育計画 E-P 水分摂取や咳嗽、吸引など排痰のために必要なことについて説明する。わからないことがあればいつでも聞いてくれるように伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
呼吸機能低下に伴う排痰困難が生じている
看護目標
排痰を促し安楽に過ごすことができる
観察計画 O-P
呼吸状態
喀痰の性状、量
副雑音の有無、性状
随伴症状の有無、程度
食事や水分摂取量
排泄状況
In-Outバランス
検査データ(WBC、CRPなど)
画像データ(レントゲン、CTなど)
援助計画 T-P
適宜、体位ドレナージを検討する
必要に応じた吸引の実施する
口腔内や気道の乾燥を予防する
必要に応じて水分摂取を促す
口腔内の清潔を保つ
必要に応じてベッドギャッチアップや離床を検討する
医師の指示に基づく薬剤の使用
教育計画 E-P
咳嗽や吸引の必要性を説明する
必要に応じた水分摂取の必要性を説明する
体位ドレナージや離床の必要性を説明する
何かわからないことがあればスタッフに伝えてもらうように説明する
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