肺炎の患者さんに関する看護計画|CO2ナルコーシスを生じた患者さん
- 公開日: 2024/5/30
肺炎によるCOPD増悪に対する治療中にCO2ナルコーシスが生じた患者さんに関する看護計画
COPDで普段から低酸素血症や高二酸化炭素血症の状態で生活されている患者さんは低酸素状態に伴う呼吸刺激に応じて呼吸を調節しています。そういった患者さんに対して酸素投与を行うことで呼吸刺激がなくなり、呼吸をしなくなるためCOPDの患者さんに酸素投与を行う際は気を付ける必要があります。 今回は肺炎によるCOPD増悪に対する治療中にCO2ナルコーシスが生じた患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんの呼吸状態を確認する。特に呼吸補助筋を使用しているか、普段のSpO2値の推移に気を付ける。肺炎の状態についても確認する。
援助計画 T-P 肺炎に関するケアとして、排痰の援助を行う。酸素投与量の調節、薬剤の投与を実施する。
教育計画 E-P 酸素投与の必要性とCOPDとCO2ナルコーシスの関係について説明する。呼吸状態の改善についても伝えて、疑問や不安があれば、話してくれるように伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
肺炎によるCOPD増悪で呼吸状態が悪化している
看護目標
状態が改善して可能な限り元の生活が送れるようになる
観察計画 O-P
呼吸状態(呼吸回数、呼吸様式、胸郭運動など)
呼吸困難感の有無、程度
咳嗽、喀痰の有無、程度
呼吸音の性状、左右差の有無
努力様呼吸の有無、補助呼吸筋の使用状況
現在の酸素投与量、これまでの推移
食事や飲水摂取状況
排泄状況(排便や排尿の回数、性状など)
検査データ(血液ガス、WBC、CRP、TP、Albなど)
画像データ(胸部X線、胸部CTなど)
援助計画 T-P
必要に応じて体位ドレナージを検討する
排痰の援助や必要に応じて喀痰吸引を行う
呼吸状態に合わせて食事や水分が摂取できるように環境を整える
医師の指示に基づく薬剤の使用、酸素投与を行う
教育計画 E-P
酸素投与の必要性を説明する
必要に応じて、COPDとCO2ナルコーシスについて説明を行う
呼吸状態に合わせて、口すぼめ呼吸のやり方を説明する
疑問や不安があれば医療者に伝えてもらうように説明する
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