セルフケア不足に対する看護計画|脳梗塞で片麻痺がある患者さん
- 公開日: 2022/9/29
脳梗塞による片麻痺に関連したセルフケア不足の看護計画
脳血管障害(脳卒中)には、脳の血管が詰まる脳梗塞と脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血があります。そのうち脳梗塞は何らかの原因で、脳の血管が狭窄・閉塞し、虚血が起こって、その血管が支配する領域の脳組織が壊死した状態です。
そして脳組織が壊死することで運動障害や感覚障害が起こりセルフケアが行えなくなる可能性が考えられるため看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 患者さんがこれまでできていたことの確認と現在の身体状況を確認する。さらに、できることやできないことを把握する。患者さんの病識と家族がいる場合は、家族の現状の理解度や心理状態についても確認する。
援助計画 T-P リハビリテーションを行いつつ、患者さん自身でできることはできるだけ行ってもらうようにする。また、行えるような環境を整えることも大切。患者さんと家族は、これまでできていたことができなくなったこと、疾患を発症したこと、今後の回復の見通しなどを受け入れられなかったり、不安になったりすることがあるため、精神的なケアが必要となるケースがある。
教育計画 E-P どの程度リハビリテーションを行っていくのか、またそれによってどの程度回復する見込みがあるのかについて伝える。精神的なケアについて、不安などは表出してかまわないことを伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
片麻痺に伴いセルフケアが行うことができない
看護目標
セルフケアを自立して行うことができるようになる
観察計画 O-P
今までのADLや日常生活の状況
患者の疾患に対する認識
運動障害や感覚障害の有無、程度
身体機能の変化に対する認識
視野障害や空間認知の変化の有無、程度
セルフケアを行う能力
患者の状態に対する家族の認識
家族の心理状態
援助計画 T-P
障害の程度に応じてリハビリテーションを行う
自力で行える範囲は患者自身で実施してもらえるように環境を整える
患者が自身でリハビリテーションが行えるように環境を整える
必要に応じて自助具を選択する
患者や家族の不安や疑問などの思いを表出できる環境を整える
教育計画 E-P
治療計画や回復の予測を説明する
リハビリテーションの必要性を説明する
自分の気持ちを我慢せず表出してもらうように説明する
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