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【連載】テーマごとにまとまった記事が読める! まとめ記事

術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防など)

  • 公開日: 2017/10/22

患者さんが問題なく手術を受け、スムーズに回復していくためには、周手術期をトラブルなく過ごせるよう介入しなければなりません。


術前の検査 

術前は、手術のための検査と、手術を受ける準備を行います。

患者さんに検査を受けてもらい、手術を受けても問題ない状態であるかを確認します。主な検査は下記となります。血液検査の際に、血液型、感染症の有無を確認します。

・血液検査
・レントゲン
・呼吸機能検査
・心電図

呼吸訓練

肺機能が低下している患者さんが開胸・開腹手術を行う場合は、呼吸器合併症を予防するために、手術前に吸気訓練などの排痰促進運動など、呼吸訓練を行います。

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術前の看護

〈前日〉

下剤

手術によっては下剤を使用するので、手術前日の就眠前に下剤を服用した場合は、排便の有無を確認します。
◎消化管の手術の場合は、絶食や経口腸洗浄剤の摂取などより厳密になります。

剃毛

術野の周囲の毛を剃ることで、皮膚の切開や縫合を容易にします。
◎行うかどうかは施設、手術内容によりますが、最近は感染のリスクからも最低限に留めて行うことが多いです。

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飲水/食事制限

全身麻酔の場合、前日の夜から食事と水分に制限がかかります。

手術室看護師の訪問

患者さん本人と直接話をし、手術内容を理解できているかを確認し、不安や疑問なく手術に臨めるように介入します。

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〈当日〉

排便の有無

最終飲水時間

量、時間を確認します。

直前のバイタルサインチェック

もしも異常があれば医師へ報告、手術を延期するかどうかを決めます。

抗生剤投与(指示がある場合)

指定された量・時間を守ります。

輸液管理

指定された量・時間を守ります。当日朝から開始となることもあります。

患者の準備

下着のみになってもらい、手術着に着替えます。装飾品、入れ歯などは全て外します。

準備が終わったら、ご家族と手術室へ向かいます。手術室看護師にカルテと診察券を渡し、病棟看護師と手術室看護師、手術室看護師と患者さん、2通りの方法で患者確認をします。申し送りをした後、ご家族を家族控え室へ案内します。

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術後の看護

〈観察・管理〉

帰室後、まずはバイタルサインに問題がないかを確認し、問題なければ全身状態をチェックします。

発熱

発熱時は、必要であれば医師指示票に沿って薬剤を使用します。また、患者さんの希望に合わせてクーリングを行います。シバリング(悪寒・戦慄)がみられている場合は、クーリングは行わず保温に努めます。

出血

術後出血は、24時間以内に起こることが多く、量が多いと感じたら医師へ報告します。体内の出血量はドレーンの排液量で確認します。ドレーンからの排液が不十分である可能性もあるので、出血性ショックの徴候がないか症状と合わせて観察する必要があります。また、排液の性状の観察も大切です。脈拍・血圧の変化も、評価の指標となります。

疼痛

痛みにより過度なストレスを感じることや、血圧の上昇がみられることもあり、手術創に対する疼痛コントロールは積極的に行います。痛みの部位、程度を把握し、鎮痛薬投与に対する評価をします。スケール等を使用することで、客観的に評価することができ、他スタッフと共有することができます。

尿量

術後すぐは炎症による生体反応で血管透過性の亢進が起き、水分がサードスペースへ漏れ出します。そのため一時的に尿量が低下しますが、時間経過により再び血管内へ戻ります。この間にみられる尿量と尿の性状の変化も、確認しなくてはなりません。この変化に合わせ、輸液量も調整します。

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栄養

腸蠕動音(排ガス)を確認してから経口摂取を開始します。食事形態に関しては、段階的に上げていく必要はないと考えられています。

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〈術後合併症〉

術後合併症は、看護師のかかわりによって予防できるものもあります。日頃の観察により、異常の早期発見に繋げます。

感染症

創部の消毒は医師が行いますが、傷の状態が落ち着くまではほぼ毎日行います。看護師は、介助についた際に医師と同様に創部の観察をします。発赤・疼痛・熱感・腫脹など、感染徴候がみられないかを確認します。また、高血糖になると好中球の機能低下により、易感染状態となるため、感染症を予防するためには、血糖のコントロールも重要です。

ドレッシング剤は、傷の経過や感染の有無によってその都度選択します。基本的には、術後24~48時間は滅菌のドレッシング剤を使用します。

廃用症候群

ベッド上での体動制限や長期臥床は廃用症候群へとつながります。ベッド上でも、可能な範囲でリハビリを行う、できることは自分でやってもらうなど、身体を動かすことが大切であり、なるべく早い段階で早期離床を促します。

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【廃用症候群とは?】発症の要因

せん妄

術後せん妄のピークは1~2日であり、遅くても4日ごろまでには発症します。せん妄の発生要因は、準備因子、直接因子、誘発因子の3つが関連していて、チェックシートを用いることにより、術前から発症のしやすさを予測することができます。特に高齢者はせん妄になる確立が高く、予防的にかかわることが大切です。せん妄がみられた場合も、すぐに身体拘束や薬剤投与を行うのではなく、まずは患者さんの状態をアセスメントし、必要性を判断します。

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深部静脈血栓症

術後は、下肢血流のうっ滞により血栓形成のリスクが高くなります。そのため、術前からリスクレベルがどれほどであるかをチェックし、弾性ストッキング、ヘパリン投与、間欠的空気圧迫法など、そのレベルに応じた対応策を取ります。

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イレウス

全身麻酔の影響で消化管の動きは低下しますが、術後48~72時間で回復するといわれています。特に開腹術で腸管操作を行った場合は回復が遅れ、イレウスのリスクが高くなります。

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【術後に肺血栓塞栓症を発症した患者さん】事例で見る検査値の活かし方


参考文献

西口幸雄 編:”いちばん新しい”術前・術後ケアQ&A エキスパートナース2013年29間13号p53-57
中川ひろみ :術後創の管理 術後ケアの”これって正しい?”Q&A エキスパートナース2015年29巻1号p30-31
高岡勇子 :ドレーン管理 術後ケアの”これって正しい?”Q&A エキスパートナース2015年29巻1号p37
竹末芳生 監:術前・術後Q&A 新しくなったケアの根拠 p36-38.42-44.49.50 エキスパートナース2006年22巻12号
出月康夫 監:〔全科〕術前術後マニュアル p11-13.26-29.30.31.56-58.71.7281-83.87-92

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