糖尿病網膜症で硝子体手術となり入院してきた患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2024/8/9
糖尿病網膜症で硝子体手術となり入院してきた患者さんに関する看護計画
糖尿病網膜症は糖尿病における3大合併症のひとつです。血糖値が高い状態が続くと目の中にある網膜の毛細血管が障害され新生血管が作られるようになります。その新生血管は脆弱なため出血しやすく、進行すると網膜剥離が起こり失明に繋がる場合があるため、進行した網膜剥離や出血に対する治療の一つに硝子体手術が選択されます。
今回は糖尿病網膜症で硝子体手術となり入院してきた患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 検査データ等から患者さんの状態を把握する。糖尿病や糖尿病網膜症についてどの程度、理解しているのかを確認する。点眼の手技や管理などについて現状を把握しておく。
援助計画 T-P 患者さんが安楽に過ごせるように体位や環境を整える。血糖管理について他職種と協働しながら支援する。点眼が必要となるため、手技の援助や管理について説明する。
教育計画 E-P 疾患や手術に関して、必要に応じて説明する。術後の経過について伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
糖尿病網膜症で視力低下してQOLが低下している
看護目標
術後経過が問題なく経過してQOLが向上する
観察計画 O-P
自覚症状の有無、程度(視野障害、末梢神経障害の症状など)
手術に対する認識、考え
点眼の手技、理解、管理
糖尿病に関する認識、理解
食事療法や運動療法に関する認識、理解
薬物療法、インスリン療法に関する認識、理解
食事や飲水摂取状況
排泄状況
睡眠状況
検査データ(血糖値、HbA1c、WBC、CRPなど)
画像データ(術前の胸部X線、12誘導心電図など)
援助計画 T-P
網膜が定着するように適切に体位を管理する
患者自身で点眼の手技や管理ができるように支援する
疼痛を適宜評価して適切に対応する
必要に応じて薬剤師や栄養士など多職種と協働して患者の血糖管理を支援する
今後の生活を踏まえた血糖コントロールに関する課題を解決できるように支援する
教育計画 E-P
理解度に合わせて糖尿病網膜症で手術の必要性を説明する
術後の一般的な経過を説明する
必要に応じて食事療法、運動療法、薬物療法の説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
看護計画を書くときに参考にしたい記事
糖尿病網膜症の看護|分類、検査、治療、術前・術後のケア(点眼指導、血糖コントロール、体位管理、褥瘡予防、疼痛管理)など
糖尿病の看護|分類、治療、合併症、看護計画
国際重症度分類(糖尿病網膜症)
改変Davis分類