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アセスメントと看護

  • 公開日: 2022/3/31

アセスメントとは

 英語のassessmentは、評価という意味になりますが、臨床で看護師が行うアセスメントとは情報を収集し、整理・吟味し、判断する過程のことをいいます。情報の収集では問診で、既往歴、家族歴、服用している薬剤などといった情報とともに、息苦しい、胸が痛い、だるいなど患者さんの訴えを聞きます。次に、視診、聴診、打診、触診などを行い、客観的な情報を集めていきます。

客観的情報 フィジカルアセスメントで得た患者さんの状態、既往歴、検査データなど
主観的情報 問診で得られた情報 例:胸が苦しい など

 収集した情報と疾患や症状の知識を照らし合わせて吟味、整理していきます。そして、患者さんにどのようなケアを行うのかを判断します。

 ケアを行う前には患者さんの状態を把握するためアセスメントを行い、ケアを実施した後はケアによって患者さんの状態がどう変わったのか、変わらなかったのかを確認するためにアセスメントを行います。看護を行う上で、アセスメントは欠かすことができないものといえます。

【関連記事】
アセスメントがうまくいく3つのPoint(情報収集など)
第24回 看護師が知っておきたいアセスメントのコツ

問診

 問診では、患者さんの主観的情報(S情報)を集めていきます。例えば、息苦しいという訴えがあった場合、いつからなのか、どういう体勢になると苦しくなるのか、楽になるのか、時間の経過とともによくなってきているか悪くなってきているか、というように質問をしていきます。

問診の7つの原則
いつから?
経過は?
どんなふうに?
どのくらい?
どこが?
どんなときに?
ほかには?

【関連記事】
問診の仕方|基本に戻ってSkill up

視診

 視診では、皮膚の状態や呼吸の様子、顔色など、目視で確認できる部分を見ます。場合によっては、外来では診察室に入ってくる歩き方なども見ておくとよいかもしれません。

【関連記事】
視診について
異常呼吸の種類と原因

聴診

 聴診器を用いて行います。呼吸音の聴取や循環器科などでは心音を聴いたり、腹痛を訴える場合は腸蠕動音を聴いたりします。

 気管支や肺に異常がある場合は、異常呼吸音(副雑音)が聴かれます。大きく4つに分けられますが、どんな音がすると異常があると考えられるのかといったことは知っておきましょう。

 心音は、心臓の弁の閉鎖によって起こります。Ⅰ音は僧帽弁と三尖弁の閉鎖によって、Ⅱ音は大動脈弁と肺動脈弁の閉鎖によって発生します。弁の狭窄や閉鎖不全によって心雑音と呼ばれる音が発生します。

 腸蠕動音の異常は腸蠕動音の減少、消失、亢進があります。どのような状態になると聴こえるのかを知っておきましょう。

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触診

 患者さんに実際に触れて確認します。胸部であれば、皮膚・皮下の状態、胸部の呼吸運動の状態、触覚振盪音の変化などを確認します。腹部のアセスメントのために触診を行う際は、主に圧痛、筋性防御、反跳痛、張り感の有無をみます。また、便秘の場合にも腹部に触れて、どこに便が貯留しているかを確認することもあります。

 その他、皮膚に触れて発汗の状態をみたり、乾燥しているかどうかなどを触診で確認することもあります。

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打診

 打診は、打診した部位が水なのか空気なのか、それとも別のものがあるのかを確認したり、臓器の大きさを推定するために行います。打診を行うのは主に胸部や腹部ですが、肺や腸管の含気状態や臓器の大きさなどの手がかりが得られます。たたいた際の響き方によって判定します。

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看護過程とアセスメント

 看護過程には、アセスメント・看護診断・計画立案・看護の実施・評価の5つのプロセスがあり、この過程を繰り返します。アセスメントはこのプロセスの1つです。

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看護理論(ゴードン、ヘンダーソンなど)とアセスメント

 看護理論は看護の考え方や見方を体系的にまとめたものです。情報収集の指針となるもので、アセスメントの際にはこの理論を用います。ゴードンの11の機能的健康パターンでは、患者さんの情報を健康知覚―健康管理や栄養―代謝といった11個の領域に分けて整理していきます。

 ヘンダーソンの14の基本的ニードでは、正常に呼吸する、適切に飲食するといった患者さんが自立して生活するために必要なものが項目として挙げられています。

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看護記録とアセスメント

 看護問題を抽出するためにはアセスメントが必須です。アセスメントし、看護問題を解決するためにはどんなケアが必要なのかを考えていきます。

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